相続と葬儀
被相続人が亡くなった時から相続は始まります。つまり、その瞬間から「相続人」としての権利と義務が生じることになります。よって、被相続人が亡くなったことついての葬儀全般を執り行うのもまた、相続人としての義務ということになります。
・葬儀を行う地域や参列者の数や、葬儀規模によって費用は変わってきますが、一般的には「葬儀費用の相場は約200万円」と言われています。内訳としては、主に葬儀社に支払う「葬儀費用」、火葬料や齋場使用料などの「実費費用」、寺院へのお礼心付けなどの「寺院費用」等です。
・相続人にはなったものの葬儀にかかる出費の大きさに頭を抱える方もいるかもしれませんが、実は、相続人が残した負債は相続財産から弁済できることを知っていますか?葬儀費用は相続財産から差し引くことができるのです。これは「葬儀費用は故人(被相続人)が自分で支払うべき」、「葬儀は被相続人が亡くなったから発生する必要な費用だ」と考えられているからです。
また葬儀費用を相続財産から支払うことのメリットもあります。支払った分だけ相続財産から差し引いて相続税の計算ができるようになるので、つまり相続税対策にもつながるのです。
葬儀にまつわる費用を誰が負担するべきなのかは、特に法律では決められていません。ご家族の都合や事情によって様々です。もっとも一般的には故人の配偶者や長男が喪主となり、葬儀費用を一時的に立替払いしているケースが多いようです。
しかし、現代においては、なんでも配偶者や長男に負担をおしつけることを不公平とする風潮もあります。戦前のように「家制度」のもと、財産の全てを長男が相続していた時代と今では法律の内容はもちろん、相続にまつわる世間の考え方も違うのです。
というように、香典で支払いきれなければ相続財産から捻出し、相続財産でも支払いきれなければ相続人が相続分に応じて支払うのが一般的です。
しかし、このような現在の一般的な考えとは別に「葬儀費用は喪主が負担すべきだ」という考えもあります。実際にそのような判例が平成24年に出されています。
そもそも故人の葬儀を行うかどうか、またその儀式をどの程度の規模と費用をかけて取り行うかは葬儀の主宰者である喪主の判断に委ねられています。したがって喪主の責任において決められた葬儀については、その費用全般を喪主が負担するのが当然であるという主張がこの判例には込められているのです。
喪主の判断次第では豪華で盛大な葬儀を選択することも、質素で控えめな葬儀を選択することもできるのですから、葬儀においては喪主が支払える範囲で責任をもって葬儀を行いなさいということです。
葬儀費用のために故人の預貯金などを使ってしまうと、のちに面倒なことになる場合もあります。
それは、後に遺産にはマイナス遺産のほうが多く、借金を返済するのが難しいとわかったものの「相続放棄はできない」とされる可能性があるということです。
なぜかといいますと、葬儀費用に充てるために故人の預貯金を使う行為が、法定単純承認の要件のひとつである「相続人が相続財産の全部又は一部を処分した場合」に該当すると考えられる場合があるからです。
単純承認とは、相続人が被相続人の財産をすべて相続することをいい、その財産にはプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も含まれます。よって、単純承認をした後は、相続人は債務返済の義務も背負うことになります。単純承認後は相続放棄は認められません。
もっとも、葬儀の規模によっても事情は変わってきます。
まず、通常の社会通念上において、身分相応なお葬式の費用を遺産から使うことは単純承認にならないという判例があります(喪主の経済力等からみても葬儀に遺産を使ったのはいたし方ないとされた場合)。
また、「形見分けとしての遺産の処分」や「社会通念上において妥当であるとされる程度の仏壇や墓石の購入」
も単純承認にはならないとされています(日本の一般的慣習において人が亡くなれば仏壇や墓石が用意されるのは当たり前とされるため)。
このように、場合によっては葬儀費用は相続財産の使用が認められるという考え方もあります。
ただしそれもあくまでもケースバイケースで、どこまでが社会通念上の妥当な範囲なのか?というのは人によって見解が異なることもあります。
家庭裁判所も積極的に相続財産から葬儀費用を使用することを推奨しているわけではありません。
ですので、あくまでやむをえない理由があった場合のみ、常識の範囲内の葬儀費用を相続財産から支払うというように考えましょう。
日本では、仏式などの葬儀の際には金銭(香典)を霊前に供えることが一般的です。そもそも香典の本来の目的は故人に供え物を捧げるということでした。しかし、それがいつしか金銭を備えることで葬儀を行う家に対する経済的援助や遺族への慰めという意味を含むようになりました。
その結果、現在では香典は、法的にも、葬儀費用の一部として遺族の負担を軽くするものと考えられ、喪主への贈与の一種とされています。したがって、贈与としてみなされているため、香典は相続財産には含まれない独立した金品とみなされています。
また、そのような性質のため、葬儀費用を支払った後に多額の香典が残ったとしても、その使い道を決められるのは喪主のみで、必ずしも相続人全員で分けなければならないという決まりはありません。
一方で、葬儀費用を相続財産から出した場合は、葬儀費用に充てて、余った香典は特別の事情がない限り相続人が相続分に従って分け合います。
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日立支部 | 茨城県日立市幸町2-10-12(JR常磐線日立駅中央口から徒歩約10分) | |
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