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無許可営業(使用目的・用法違反)と解除


1.使用目的・用法違反と契約解除

 賃借人は、その建物の有する性質によって定まる用法に従い、使用収益をしなければなりません(民法616条,594条)。

 すなわち、賃借人は定められた用法に従う義務(用法遵守義務)を負っています。

 また、建物の賃貸借契約を締結する際には、建物の用法を定めるのが一般的です。この場合も、賃借人には契約上の用法遵守義務が生じます。

 このように、契約や建物の性質により定められた用法に賃借人が違反した場合、賃貸人による解除が認められるかが問題となります。

 用法違反の類型として、契約に定められた用法に違反する場合と、用法に関する特約はないが、当該建物の性質、周囲の環境等から当然に定められるべき用法に違反する場合とがあります。

 いずれの場合でも、用法違反という賃借人の債務不履行により直ちに解除が認められるものではありません。

 判例は、他の類型と同様に、賃貸借契約における目的物の用法違反がある場合にも、信頼関係破壊の法理により解除を制限しています。

 すなわち、当事者間の信頼関係の破壊の有無によって契約の解除が認められるかについて判断されることになります。

 以下では、契約に定められた用法に違反した場合と、建物の性質により定められる用法に違反した場合について、裁判例を紹介します。

2.裁判例

(1) 契約に定められた用法に違反した場合

1.契約の解除が認められた場合

 1.使用目的をマリンスポーツ店の事務所店舗として賃貸したにもかかわらず、賃借人が無断で内装工事をした上、クラブの営業を始めた場合(東京地判平3年7月9日)

 2.麻雀屋の営業としてのみ使用する目的で賃貸した店舗を、賃借人が全面的に改装してゲームセンターの営業に転向した場合(東京地判昭60年1月30日)

 3.使用目的が料亭として賃貸したところ、客を宿泊させる等した場合(東京地判平3年7月31日)

 4.ビルのテナントを物産会社の事務所使用の目的で賃貸したところ、実際は暴力団の組事務所として使用が継続されていた場合(東京地判平7年10月11日)

 5.犬猫等のペットの飼育を禁止する特約に違反して居室で猫を飼育した上、マンション敷地内で野良猫に餌を与えたり、賃貸借契約書の特約部分を塗りつぶして猫の飼育について承諾を得たかのような工作をしていた場合(東京地裁昭和58年1月28日判決)

2.契約の解除が認められなかった場合

 1.使用目的を飲食店とする建物賃貸借において、飲食店ではなく倉庫として使用した場合に、飲食店としての使用当時とほとんど同じ状況であった等から解除原因たり得ないとした事例(東京高判昭41年6月17日)

 2.賃借建物を活版印刷工場から写真印刷のための製版の作業場に変更したことが、用法違反及び増改築禁止特約違反に該当するとしつつも、いまだ信頼関係を破壊しない特段の事情があるとされた事例(東京地判平3年12月19日)

 このように、裁判所は、当初の契約により定められた用法とどの程度異なった利用をしているか等、個別の事情を総合的に考慮して、当該使用が賃貸人に対する信頼関係を破壊するものか否かを判断していると考えられます。

(2) 建物の性質により定められる用法違反(契約条項に用法が規定されていない場合)

1.解除が認められた事例

 アパートで徹夜麻雀をしばしば行い、騒音のため他の居住者の睡眠を妨げた場合(東京北簡判昭43年8月26)

2.解除が認められなかった事例

 建物の一部を店舗として使用した場合、当該使用が建物の一部であり、建物内部に客の立ち入りを許していない等から、この程度の店舗としての使用は契約上の使用目的に反するものでないとした事例(東京地判昭35年11月26日)

 このように、契約上用法が定められていない場合であっても、賃借物件の一般的な用法に違反した場合は解除が認められる場合があります。

3.契約時の注意点と解除の手続

(1) 契約時の注意点

 用法違反の場合、賃貸人と賃借人の間で契約時にどのような合意をしたかが重要となります。

 後のトラブルを避けるためには、契約において使用目的を明確に規定しておく必要があるといえます。

 また、場合によっては使用目的を定めることになった事情についても、覚書などの形で記録に残しておくとよいでしょう。

(2) 解除の手続

 賃借人に用法違反をやめるように催告し、それが改められない場合には契約を解除して明渡しを求めるのが一般的です。

【注意】
 弊所では、居住用物件については貸主様からのご相談・ご依頼のみをお受けしております。
 居住用物件の借主様からのご相談・ご依頼(マンション・アパートを借りていらっしゃる方からの退去交渉等のご相談・ご依頼)は受け付けておりません。予めご了承ください(債務整理としてご相談をお受けすることは可能です)。
 なお、テナント物件(事業用物件)については、貸主様・借主様いずれの方からもご相談・ご依頼をお受けしております。

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