自己破産をしても住民票や戸籍に記載されない

自己破産しても住民票や戸籍に記載されることはありません。
下記のとおり、自己破産をしたことは官報に掲載され、場合によっては破産者名簿に掲載されることもありますが、このことにより他人に自己破産をしたことを知られることはほとんどありません。

また、自己破産をすることにより、いわゆるブラックリストに情報が登録されて今後しばらく新たな借り入れやクレジットカードの発行がしづらくなることはありますが、一定期間月々の支払いが滞っている状態であれば既に信用情報が登録されてしまいますので、現状以上に大きなデメリットが生じることにはなりません。

官報とは？

「官報」とは、国が発行している新聞のようなもので、法律の改正の情報などが載っています。この中に破産情報も掲載されていて、破産者の氏名や住所などが載っています。

もっとも、官報は、一般の書店では販売されていません。現在はインターネットで官報情報を見ることができるようになりましたが、官報をチェックする人も債権回収業者などごく一部の人たちにすぎません。

したがって、官報に自己破産をしたことが掲載されたとしても、それが他人に知られることはほとんどありません。

破産者名簿とは？

免責許可決定が確定するまでの間、本籍地の市町村の破産者名簿に名前が記載されることがあります。

しかし、破産者名簿は、破産者ではないことの身分証明書を発行するために作成されるものですから、第三者に公開されることはありません。

なお、破産者ではないことの身分証明書とは、ある人が弁護士、司法書士等や成年後見人、保佐人等の破産者では就くことが出来ない職業や地位に就く際に必要となることがある証明書です。

また、以前は、破産をした人は、免責許可決定が確定するまでの間、破産者名簿に載ることになっていましたが、平成１６年の破産法改正にともない裁判所の運用が変わり、ほとんどの破産者は破産者名簿に載らないようになりました。現在では、破産者名簿に掲載されるのは免責を受けられなかった破産者などごく一部の人にとどまります（平成１６年１１月３０日民三１１３号最高裁民事局長通達）。

したがって、現在では破産者名簿に掲載されること自体がほとんどのケースではありませんし、仮に破産者名簿に載ったとしても、そのことにより自己破産の事実が他人に知られることは、ほとんどありません。

破産者名簿に載る場合