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1.雇用と請負の違い

前ページでは、下請業者を使用する場合の注意点についてご説明させていただきました。しかし、工事の際、必ず下請を遣わなければならないという決まりはありません。自分が雇用している労働者で十分であれば、無理に下請を使用する必要はありません。

また、「雇用」と「請負」には当然ながら違いがあります。請負とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することをいいます(民法632条)これに対し、雇用とは、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することをいいます(民法623条)。

つまり、請負は、当事者間に指揮命令関係はなく、「仕事の完成」という結果に対して報酬が支払われるのに対し、雇用の場合は、使用者と労働者には指揮命令関係があり、労働者には労働自体に対する対価として報酬が支払われるという相違があります。また、労働契約の場合、労働基準法などの労働法規が適用されますが、請負契約の場合、労働法規の適用はありません。

このページでは、従業員を雇用する際に注意すべき点についてご説明させていただきます。

2.募集の際の注意点

(1)期間の定めを設けるか(正社員か契約社員か)

 

「正社員」と「契約社員」という呼び方を聞いたことがあるかもしれません。実は、これらは法律上の言葉ではありません。

 

一般的に、正社員は、期間を定めないで雇用される社員をいい、会社との結びつきが最も強い雇用形態です。他方、契約社員は、契約期間を設けて採用される社員をいい、専門的な知識を持った人を期間限定で雇用したい場合などに使われます。つまり、正社員と大きな違いは「有期雇用」であることです。なお、期間を定めて雇用する場合、原則として3年を超える期間をもうけることは許されません(労働基準法14条)。

 

なお、2020年4月1日に「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」が施行され、同一企業内において、正社員と非正規社員の間で、基本給や賞与などで不合理な待遇差を設けることが禁止されます。また、非正規社員は、待遇差の内容や理由について、説明を求めることができるようになり、事業主は、非正規社員から説明を求められた場合には答えなければならないことになりました。

(2)労働条件の明示

 

労働基準法15条は、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。」と規定し、一定の事項について一定の方法で明示することを義務付けています(労働時間、就業場所、休日、賃金の計算方法など)。

 

また、知人に紹介された人や、何度か同じ現場で工事をした人などを雇用する場合、労働条件を明確にせず、口約束だけで雇用契約を締結してしまう場合もあります。しかし、後日トラブルになった場合に備え、契約書は必ず作成するようにしましょう。

3.注意すべき点

(1)一人親方との関係

 

先述のとおり、雇用と請負は大きく異なっています。また、契約が雇用なのか請負なのかは、契約書のタイトルではなく、働き方が「労働者と同様」と判断されるか否かによります。そのため、実体が雇用契約であるにもかかわらず、「請負契約書」という契約書を作成し、指揮命令のもとで一人親方に業務を行わせると、偽造請負にあたります(詳細は「建設業における不祥事⑪偽造請負」をお読みください)。そのため、一人親方を作業に従事させる際、雇用なのか請負なのかは明確に意識しましょう。

(2)雇用契約が必要な場合

 

配置技術者(主任技術者と配置技術者。詳細は「建設業の担い手と法律問題⑧技術者制度」をお読みください)は、原則として、所属建設業者と「直接的かつ恒常的な雇用関係」が必要とされています。

 

「直接的な雇用関係」というためは、配置技術者と所属建設会社との間には、第三者が介入する余地のない雇用関係(賃金、労働時間、雇用、権利構成)が存在していなければなりません。いわゆる在籍出向者(出向社員)や派遣社員は、所属建設会社と直接的な雇用関係にあるとはいえません。

 

また、「恒常的な雇用関係」というためには、所属建設会社に一定の期間にわたり勤務し、毎日(休日を除く)一定時間以上の勤務していることに加え、配置技術者と所属建設会社が双方の持つ技術力を熟知し、建設業者が責任を持って技術者を工事現場に設置できるとともに、建設業者が組織として有する技術力を、技術者が十分かつ円滑に活用して工事の管理等の業務を行うことができることが必要です。つまり、一つの工事期間だけ短期雇用するなど、期間限定で雇用をすることは恒常的な雇用関係といえません。

 

また、国や地方公共団体等が発注する公共工事の場合は、原則として、所属建設会社が入札の申し込みをした日からさかのぼって3ヶ月以上の雇用関係があることが必要です。

4.労働者派遣

 

労働者派遣法4条1項2号では、「土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更若しくは解体の作業又はこれらの準備の作業にかかわる業務」について、労働者派遣が禁止されています。しかし、これらの業務以外の業務に従事するのであれば、労働者派遣も認められます。例えば、設計、積算、安全管理、施工管理、現場事務所の事務や給食料理等については、派遣労働者を使用することができます。

 

そのため、人手を必要としている業務の種類によっては、労働者派遣で対応するのも一つの解決方法です。

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