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1.建設業法遵守ガイドラインその1

 

国土交通省は、法律の不知による法令違反行為を防ぎ、元請負人と下請負人との対等な関係の構築及び公正かつ透明な取引の実現を図ることを目的として、「建設業法遵守ガイドライン」を規定しています。

 

このガイドラインには、建設業法に違反する(または違反するおそれのある)12項目の具体的事例を示しています。

(1)見積り条件の提示等

 

建設工事の元請人は、下請人に見積もりを依頼する場合には、工事内容や契約条件を具体的に示さなければなりません。この点について、建設業法20条1項は、「建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に応じ、工事の種別ごとの材料費、労務費その他の経費の内訳並びに工事の工程ごとの作業及びその準備に必要な日数を明らかにして、建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。」と規定しています。また、適正な見積もりを行うため、同3項は、元請負人は、下請契約を締結するより前に、一定の事項についての具体的内容を下請負人に提示し、その後、下請負人が当該下請工事の見積りをするために必要な一定の期間を設けることを義務付けています。

 

適正な見積もりを行う、という建設基準法20条3項の趣旨に照らすと、元請負人が下請負人に見積もりを依頼する場合には、工事名称、施工場所、下請工事の責任施工範囲、下請工事の日程、施工環境に関する事項などを、工事内容として下請負人に提示する必要があります。また、これらの工事内容は、口頭ではなく書面で交付しましょう。

(2)書面による契約締結

 

建設業法19条は、請負契約の明確性及び正確性を担保し、紛争の発生を防止するため、建設工事の請負契約を締結する当時者は、契約の内容を記載した書面を作成する必要があると規定しています(詳細は「取引上の問題⑦契約書作成上の注意点」をお読みください)。

2.建設業法遵守ガイドラインその2

(3)著しく短い工期の禁止

 

建設業法19条の5は「注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。」と規定しています。これは、長時間労働の是正、及び、長時間労働を前提とした短期工事による事故の発生や手抜き工事を防ぐ趣旨です(詳細は「取引上の問題⑦契約書作成上の注意点」をお読みください)

(4)不当に低い請負代

 

建設業法19条の3は、「注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない」と規定します。元請負人と下請人との請負契約では、元請負人が発注者、下請負人が請負人となります。

 

ここにいう「自らの地位を不当に利用」とは、元請負人が下請負人よりも取引上優位な地位にあるのを利用し、下請人を経済的に不当に圧迫するような取引などを強いることをいいます。そして、取引上優位な地位にあるか否かは、元請負人と下請負人の取引依存度などによって判断されることになります。例えば、下請負人にとって、その元請負人が重要な取引先であり、下請人が行っている工事のうち、大部分が元請負人からの発注によるものである場合などは、取引上優越的な地位に該当する可能性が高いです。

 

また、「通常に必要な原価」とは、当該工事の施工地域において、当該工事を行う際に一般的に必要と認められる直接工事費(材料費など)、間接工事費(材料の運搬費用など)、一般管理費(給料など)を合計した価格を指します。

 

例えば、元請負人が、自分の予算額のみを基準として、下請負人による見積額を大幅に下回る額で下請契約を締結した場合は、建設業法19条の3に違反するおそれがあります。元請負人の予算も「通常に必要な原価」にあたるか否かの考慮要素にはなりますが、当該工事の施工区域における同種工事の請負代金額の実例等を一切考慮せずに上記のような請負契約を締結するのは避けましょう。

3.建設業法遵守ガイドラインその3

(5)指値発注

 

指値発注とは、元請負人が下請負人と請負契約を締結する際、十分な協議をせず、または下請負人との協議に応じることなく、元請負人が一方的に決めた価格を下請負人に提示(指値)し、その価格で下請負人に請負工事を受注するよう強いることをいいます。

 

もちろん、元請負人が下請人に自らの希望額を提示することは違法な行為ではありませんし、希望額の提示のみであれば一般的に行われていると思います。しかし、指値発注は、「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならない」と規定する建設業法18条を没却するものであると同時に、元請負人としての地位を不当に利用するものですから、先述した不当に低い請負代金と同様の問題があります。

 

建設業法違反となるおそれのある場合として、元請負人の指値した額が、合理的な根拠がないにもかかわらず工事に必要な原価に満たない場合があります。また、下請負人に十分な見積もり期間を与えず、元請負人が指値した額での下請契約締結の判断をその場で行わせるのは、建設業法20条3項に違反します。

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