千葉 船橋・柏・木更津の法律事務所  法律顧問・債権回収  法律顧問・債権回収・不動産取引・契約トラブル・労働問題・事業承継・法人破産のことならさくら北総法律事務所へ。

千葉 船橋・柏・木更津 弁護士法人さくら北総法律事務所

お電話でのご予約は0120-786725まで インターネットでのご予約はこちら

1.建設工事紛争審査会とは

 

建設工事において、「工事代金を値切られた」「建設物に不適合な部分がある」等のトラブルが多く、裁判手続によってそれらのトラブルを解決する方法については、これまでのページでご説明させていただきました。しかし、裁判所以外にも、紛争解決のための機関は存在します。その1つが建設工事紛争審査会です。

 

建設工事紛争審査会は、建設業法に基づき設置される、建設工事の請負契約に関する紛争の処理を行う準司法的機関(裁判外紛争処理機関のことです。ADRと呼ばれます。)です(建設業法25条)。あくまでも紛争解決を目的とする機関であり、建設業者に対する指導・監督を行うわけではありませんし、技術的鑑定を行う機関ではありません。また、裁判と異なり、原則として非公開で行われます(法25条の22)。

 

建設工事紛争審査会は、国土交通省に設置されている「中央建設工事紛争審査会」と、各都道府県に設置されている「都道府県建設工事紛争審査会」があります。中央審査会と各都道府県審査会は担当する事件の管轄区分が決まっています。

 

審査会は、弁護士を中心とする法律委員と、建築、土木などの各技術分野の学識経験者や建設行政の経験者などの専門委員から構成されているので、専門性の高い建設工事分野でも十分な対応ができる体制になっています。また、裁判と異なり、話し合いによる解決を目指そうとする面が強く、このページでは、建設工事紛争審査会の手続についてご説明させていただきます。

2.手続の概要

(1)取り扱う事件

 

建設工事紛争審査会は、建設業法に基づき、「建設工事の請負契約に関する紛争の処理」を行う機関です(建設業法25条)。そのため、建設工事に関するトラブルすべてを取り扱うわけではなく、工事の不具合や工事代金の未払いなどは取扱いますが、不動産の売買に関する紛争、発注者と設計者間の紛争、騒音トラブルなど近隣者との紛争、直接契約関係にない元請・孫請との紛争は取扱いません。

(2)手続

 

建築工事紛争審査会が行う紛争解決の手続には、「あっせん」、「調停」、「仲裁」の3つがあります。事件の性質等を考慮して、申請人がいずれかを選択して申請することとなります。

(3)あっせん

 

あっせんは、当事者双方の主張を聴き、要点を確かめ、当事者間の誤解を解き、和解を目指す制度です。審理回数は平均して1、2回と少なく、早急な解決が必要な場合や、技術的・法律的な争点が少ない場合に適しています。

 

あっせんが成立すると民法上の和解と同じ効力が生じます。しかしながら、裁判上の和解と同じ効力は生じないので、強制執行を行うためには、別途公正証書を作成するなどの手続をとらなければなりません。

(4)調停

 

調停は、基本的にあっせんと同様の手続です。しかし、調停の場合、調停委員が場合によっては調停案を勧告し、紛争の解決を図ることができるので、この点はあっせんとことなります。

 

調停が成立しても民法上の和解と同じ効力が生じるのも、あっせんと同じです。

(5)仲裁

 

仲裁は、和解による解決ではなく、紛争の解決を審査会の仲裁に委ね、裁判所への訴訟提起は行わないことを約する当事者間の合意に基づいて、審査会の判断によって当事者間の紛争の解決を図る手続です。

 

仲裁は訴訟に近く、仲裁判断には確定判決と同じ効力があります。また、解決には平均で1年から2年程度かかるといった点も、訴訟と似ています。

3.メリットとデメリット

(1)あっせん・調停について

 

審査会は、技術的・法律的な知見を有する専門委員のもと、互いに譲り合いの姿勢で臨み、和解を目指して話し合いをする手続です。当事者だけでは感情的になってしまいなかなか話し合いにならなかったとしても、第三者を介することでスムーズに話し合いで解決するケースも少なくありません。また、簡便な手続により、訴訟よりも短期間で紛争を解決できるのもメリットと言えます。

 

他方、デメリットとして、和解が成立しても、公正証書作成など、別途手続をとらなければ強制執行をすることができないことが挙げられます。また、訴訟と異なり、強制的に出頭や証言を求めることができないため、相手方が手続を拒んだ場合、手続が終了してしまうのもデメリットです。

(2)仲裁について

 

先述のとおり、仲裁判断には裁判所の判決と同様の効力が生じることもあり、手続が公開されるか否かという違いはありますが、仲裁と訴訟は手続として似ています。

 

仲裁と訴訟を比較したとき、メリットにもデメリットにもなりうる点として、仲裁の審理は一審制であることが挙げられます。通常の訴訟の場合、判決内容に不服があれば、控訴することで第一審の判決内容を争うことができます。しかし、仲裁の場合、仲裁判断に不服があったとしても不服申立を行うことができず、仲裁内容は裁判所でも争うこともできません。

 

これは、紛争を1回で解決できるという意味ではメリットになりますが、仲裁判断の内容に不服があっても争うことができないという意味ではデメリットになります。

お得なキャンペーン・ご相談予約はこちら

60分無料弁護士相談実施中です
ご相談はお電話でもメールでも受け付けております。お電話は0120786725へ
ご相談の予約はこちらからどうぞ。お電話は0120786725へ オンラインでのご予約はこちら。
当事務所のご案内

当事務所のご案内

ページのトップへ戻る
 電話で予約する WEBで予約する