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1.発注者、元請、下請について

一般的な建設業では、まず工事を発注する人(発注者)がいて、発注者から工事全体を請け負う人(元請負人。以下「元請」といいます)がいて、さらにその元請から工事を請け負う人(下請負人。以下「下請」といいます)がいる、という体制になっています。

では、そもそも「請負契約」や「下請契約」とは法律上どのような特色を有しているのでしょうか。請負契約がどのような契約なのか分からなければ、契約書にどのようなことを書かなければならないのか、そもそも契約書が必要なのかなどがわかりません。

そこで、以下では、請負契約と下請契約についてご説明します。

2.請負契約とは

(1)請負契約

請負契約について、民法は「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」と規定しています(632条)。

つまり、請負契約を締結すると、請負人は「仕事の完成」という「結果」に対して責任を負い、注文者は「結果」に対して報酬を払う、ということになります。これは、原則として、仕事を完成させなければ報酬を請求できない、ということを意味します。

したがって、契約書のタイトルが「業務委託契約書」であったとしても、仕事の完成とそれに対する報酬を支払う契約であれば、請負契約ということになります。

(2)建設業法の規定

建設業法では、「請負」以外の名称を使うことによる脱法行為を防ぐために、報酬を支払って建設工事の完成を目的として締結する契約は、すべて「建設工事請負契約」とみなすものとしています(建設業法24条)。なお、どのような工事が「建設工事」に該当するかは、建設業法第2条1項に規定されています。

(3)契約書作成にあたっての注意点

建設工事の請負契約の当事者は、書面で契約を締結することを定めているほか、契約時に必ず定めるべき事項についても規定されています(建設業法19条)。

国土交通省は、請負契約で規定すべき事項を建設工事標準請負契約約款として公表しているので、これを参考にするのもよいでしょう。

3.下請契約とは

(1)下請契約

下請契約は、建設業法2条4項で「建設工事を他の者(発注者)から請け負った建設業を営む者(請負人)と他の建設業を営む者(下請人)との間で当該建設工事の全部又は一部について締結される請負契約をいう」と定めています。つまり、下請契約も請負契約ということになります。

 

まず、発注者から工事を請け負う人が、元請負人として発注者との間で請負契約を締結します。その後、元請負人が注文者として一部の工事を下請に出す場合、元請負人と下請負人との間で交わす請負契約が下請契約です。

(2)下請契約の注意点

下請契約も請負契約である以上、先述した建設業法の規定が適用されることになります。また、建設業者が下請を行ったとしても下請法は適用されませんが、建設業法の下請保護の規定が適用されます(詳細は「建設業の担い手と法律問題⑥(下請け業者)」をお読みください)。

4.一括下請の禁止その1

(1)一括下請の禁止

建設業法22条では、請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請負わせてはならない旨を規定しています。これが一括下請負の禁止といわれるものです。

一括下請負が禁止される理由として、

ア.発注者が建設工事の請負契約を締結する際、様々な角度から建設業者を評価した上で、数ある建設業者の中から当該建設業者を選んでいます。にもかかわらず、当該建設業者が一括して建設工事を他人に請け負わせてしまえば、発注者の評価が意味のないものになってしまうこと

イ.一括下請負を容認すると、中間搾取、実際の工事施工の責任の不明確化等の問題が発生するとともに、施工能力のない商業プローカー的不良建設業者の輩出を招くことにもなり、建設業の健全な発達を阻害するおそれがあること の2点が挙げられています。

(2)一括下請とは

ここにいう一括下請とは、元請負人がその下請工事の施工に「実質的に関与」することなく、以下の場合に該当するときは、一括下請負に該当します(国土交通省平成28年10月14日通知)。

ア.請け負った建設工事の全部又はその主たる部分について、自らは施工を行わず、一括して他の業者に請け負わせる場合

イ.請け負った建設工事の一部分であって、他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の建設工事について、自らは施工を行わず、一括して他の業者に請け負わせる場合

5.一括請負の禁止その2

(3)実質的関与

元請業者が「実質的に関与」していたといえるためには、元請業者が自ら施工計画の作成・調整、工程管理、品質管理、安全管理、技術的指導等を行うことが必要です。単に工事現場に技術者を置いているだけでは「実質的に関与」しているとは認められません。

具体的な判断要素としては、施工計画の総合的な企画・修正、工程管理(進捗確認及び工程修正も含む)、工事用資材などの品質管理、労働安全衛生法に基づく安全管理、技術的指導、下請人間の施工の調整など、様々な要素を考慮して判断されます。

(4)一括請負禁止の例外

 

公共工事では例外なく一括下請けは禁止されています。しかし、民間工事については、一括下請を行う前に、元請負人があらかじめ発注者から書面による承諾を得ている場合は、一括下請負が許されています。

 

なお、下請人が請け負った工事について一括して再下請負する場合でも、元請人ではなく発注者の書面による承諾が必要となります。

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