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1.建設業におけるダンピング

ダンピングとは、販売価格、請負代金などの価格を著しく引き下げることをいいます。不当廉売と呼ばれることもあります。建設業界においては、特に公共工事について、ダンピングが問題となっています。

ダンピングが行われる原因についてはいくつか指摘されています。かつては、一度公共工事をダンピング受注で行うことで実績をつくり、実績をつくった後は適正な価格で公共工事を受注するという、実績作りのためのダンピング受注が横行していました。また、建設業者としての実態はほとんどなく、ダンピング受注した工事を下請に丸投げした上で、マージンを得る場合や、公共工事では前払金として請負金額の4割程度が支払われることが多いため、資金繰りの一環としてダンピング受注する場合など、様々な要因が指摘されています。地方自治体によっては、入札参加者が多くダンピング受注でなければ落札できない場合や、ライバル会社に入札されないようあえてダンピング受注している場合など、様々な要因が指摘されることもあります。

このページでは、ダンピングの問題点や法的規制についてご説明させていただきます。

2.ダンピングの問題点

公示を安価で発注できるため、発注者にしてみればダンピングにも一定のメリットはあります。受注者としても、廉価な工事であっても、作業手順の合理化を図ることにより収益を生み出す努力をするなど、一定のメリットは見込めるかもしれません。

しかし、実際にはダンピングによって以下のようなデメリットが発生しており、建設業界の健全な発展を阻害すると考えられています。

(1)手抜き工事の発生

ダンピング受注は工事を安価に受注することになるので、当然、業者の利益は低下することになります。それにより、品質を低下させる懸念を生むことになります。ダンピングが横行していた2005年前後は、落札者が突然「明日から業務を行えない」と言い出し、工事が途中で中断したり、材料費を安くすませるために質の低い資材を使用したり、予定されていた工程どおりに工事を行わなかったりするケースも見られるようになりました。

(2)下請企業へのしわ寄せ

 

建設業界では、実際に工事を受注した元請会社が、さらに2次請け、3次請けと工事を発注する重層的な下請構造になっていることがほとんどです。ただでさえ廉価でダンピング工事を受注しているのに、元請会社は一定の利益を差し引いてさらに安い値段で2次請け会社に工事を発注し、2次請け会社は一定の利益を差し引いて3次請け会社に工事を発注する、という悪循環が発生し、実際に施工する下請会社にしわ寄せが集中することになります。

 

下請会社としても、一度受注を断ってしまうと、次から仕事を回してもらえなくなることを懸念し、赤字覚悟で仕事を続けざるを得ないという事情も存在します。

(3)労働者への悪影響

 

人件費削減のため、従業員に正当な給料が渡されない場合があります。賃金の低下をはじめとるす就労環境の悪化は、若手入職者を減少させ、建設業の健全な発達を阻害することにもつながります。

3.ダンピングへの対策

(1)新・担い手3法

平成26年に、建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)が一体として改正されました。建設業の担い手の中長期的な育成と確保のための基本理念や具体的措置を中心とした改正で、これら3法を併せて「新・担い手3法」と呼ばれることもあります。

この改正により、入契法と品確保にダンピングに対する規制強化が盛り込まれているので、ご説明させていただきます。

(2)入契法

公共工事の入札及び契約の適正化の基本となるべき事項として、「その請負代金の額によっては公共工事の適正な施工が通常見込まれない契約の締結が防止されること」(ダンピングの防止)が追加されました(入契法3条4項)。また、建設業者は、公共工事の入札に際して入札金額の内訳の提出が義務付けられました(入契法12条)。

法改正される前は、入札金額を明示することは義務ではありませんでした。入札金額の内訳を義務付けることで、見積能力の無い不良・不適格業者や、見積もせずにダンピング受注を行おうとする業者の排除につながりますし、談合等の排除にもつながります。

(3)品確法

品確法において、現在及び将来の公共工事の品質確保とその担い手の中長期的な育成・確保を図るため、発注者の責務として、公共工事等の仕様書及び設計書の作成、予定価格の作成、入札及び契約の方法の選択、契約の相手方の決定等の必要な措置を講ずることが明記されました(品確法7条1項3号)。

4.工期ダンピング

「工期ダンピング」とは、その工期によっては建設工事の適正な施工が通常見込まれない請負契約を締結することです。工期ダンピングは、他の業種に比べて建設業界で長時間労働が多い原因とされていて、従来からその規制が議論されていました。

令和2年10月に建設業法が改正され、請負契約の締結にあたって著しく短い工期を設定することが禁止されました(建設業法19条の5)。また、注文者が著しく短い工期で契約した場合で、特に必要あると認めるときは、国土交通大臣または都道府県知事が発注者に対し必要な勧告をすることができます(建設業法19条の6)。この勧告に従わない場合は、勧告に従わなかったことを公表することも可能です。

 

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