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飲食店の債権回収


 

1.ご相談例

(相談内容)

 飲食店を経営しています。

 先日、会社の忘年会ということで、A社のBという方から、一人5000円の宴会コースで20人分の予約を受け付けました。

 その際に、キャンセルは2日前までとして、それ以降は来店されない場合も通常の料金をいただくことを説明し、了承を得ました。

 しかし、予定日の前日に、社長がインフルエンザにかかってしまったため、キャンセルしたいという電話がありました。

 私は事前の説明のとおりに、前日のキャンセルの場合は料金全額をいただくことを伝えましたが、「当日ならまだしも前日に連絡したのに全額を支払わなければならないというのは納得できない」と言って、電話を切られてしまいました。

 その後、こちらから電話をしても出ません。

(回答)

 キャンセル料について特約があり、それについてお店と利用者の間で明確に合意が成立している場合は、その特約に従った金額を請求することが可能と思われます。

 また、キャンセル料について特約がない、あるいは特約が無効な場合も、一定の損害を請求する余地はあります。

 以下、キャンセル料の法的性質と、キャンセル料の特約の意義及び実際の請求の流れについて説明いたします。

2.キャンセル料法的問題

 まず、「宴会の予約」は、民法上の「予約」ではありません。

 むしろ、「宴会の予約」とは、法的には宴会場及び飲食物の提供契約とでも表現すべき「契約」そのものと考えられます。

 そのため、「キャンセル料の請求の可否」という問題は、結局、契約が解除された場合の損害賠償請求の可否と同様に考えれば良いということになります。

 請求の可否は以下のチェックリストに沿って、検討していくことになります。

 1.宴会場及び飲食物提供契約が成立しているか
 2.キャンセル料に関する特約が成立しているか
 3.消費者契約法9条1号と抵触していないか
 4.損益相殺は生じているか
 5.利用者を特定できるか

 第1に、そもそも、「宴会の予約」が為されていたか、すなわち契約が成立したかをチェックします。

 多くの場合、ここは問題ないと考えられます。

 第2に、キャンセル料に関する特約をお店が提示していた場合(例えば「前日以降のキャンセルの場合は予約代金の100%を頂戴します」など)は、この特約が成立していたか否かをチェックします。

 この点に関する参考裁判例としては、東京地方裁判所平成19年5月28日判決があります。

 この事件では、「忘年会の3週間前のキャンセルについても予約代金の60%のキャンセル料が発生する」という特約の成否が問題となりました。

 東京地裁は、この特約は「店舗側に著しく有利な、かなり特異な取決めであるということができるのであって、このような性質の特約の成立が認められるためには、その特約の内容を具体的に説明した上で、これに対して予約客から明示の了承が得られるなど、予約客に特約内容の明確かつ具体的な認識が求められるものというべき」と述べています。

 第3に、キャンセル料の特約が成立していたとしても、その特約が消費者契約法9条1号に抵触していないかをチェックします。

第9条(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
(2号省略)

 要するに、「一般的な同業他社がキャンセルされたお店と同様の目に遭ったら、平均してどれくらいの損害を被るのか」を考えます。

 もし、特約で定められていたキャンセル料が、この損害額を超過していた場合、超過している部分が消費者契約法9条1項で無効になります。

 この部分は、ケースバイケースである上、専門的な内容になりますので、弁護士に相談された方が良いかと思います。

 第4に、損益相殺が発生していないかチェックします。損益相殺とは「債権者が、損害が被ったのと同時に、債務不履行と同一の原因によって利益を受けた場合に、損害と利益との間に同質性・相互補完性がある限り、損害額から利益額を差し引いて、その残額をもって賠償すべき損害額とする」考え方を言います。 例えば、キャンセルされたことによって空席が生じ、その空席を他のお客様が利用して売上が上がった場合、その売上は損害額から控除されます。

 第5に、そもそも利用者を特定できるかをチェックします。

 これは法律論というより、実務的なチェック事項なのですが、いくら法律上は損害賠償請求権が成立していたとしても、利用者がどこの誰であるかが分からなければ、請求のしようがありません。

 通常は、予約の際に電話番号や氏名をお店側で記録していると思いますが、この電話番号と氏名だけで必ずそのお客様を特定できる訳ではありません。

 これらのチェックを経て、問題がなければ、実際に、お客様に対してキャンセル料を請求できることが多いはずです。

【注意】
弊所では、債権回収業務について、事業性資金(事業により発生した債権(例:工事代金、売買代金、診療報酬などの売掛金や賃料・リース料など))の回収業務のみをお受けしております。個人間・親族間の貸付け等(親子間の貸付けや、個人的な貸付け)の債権回収は受け付けておりません。予めご了承ください。

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