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民法と借地借家法の違い


1.契約の類型

 建物の貸し借りが行われる場合の契約の類型は、大きく分けて2種類あります。

 有償での貸し借りを「賃貸借」、無償である場合は「使用貸借」といいます。

1.賃貸借契約

 賃貸借契約とは「賃貸人(貸主)」が、「賃借人(借主)」に目的物を使用収益させ、これに対して「賃借人」が、対価を支払う契約をいいます。有償かつ当事者間の合意のみで成立する契約です。

1.存続期間

(1) 民法

 賃借権の存続期間は最長で20年とされています。

 最短期間の定めはありません。

(2) 借地借家法

 借地借家法における「建物の賃貸借(借家契約)」の存続期間は当事者が自由に決められます。

 最短期間は1年で、1年未満の期間で合意した場合は、期間の定めのない契約とみなされます。

2.賃貸人・賃借人の義務

 賃貸人及び賃借人の主な義務は以下のとおりです。

(1) 賃貸人の義務

・使用収益させる義務(民法601条)
 賃貸人は賃貸人に対し、目的物を使用収益させる義務があります(民法601条)。

・修繕義務(民法606条)
 賃貸人は、目的物の使用収益に必要な修繕をなす義務を負います。

・費用償還義務(608条)
 賃借人が「必要費」を支出したときは、賃貸人に対し、直ちに償還を請求できます。

※必要費:目的物を保存管理し、使用収益に適する状態に維持するための費用をいいます。また、賃貸人は、賃借人が「有益費」を支出したときは、賃貸借の終了のときに、価格の増加(価値)が現存する場合に限って、その分を償還しなければなりません。
※有益費:物件の価値を増加させる費用をいいます。

(2) 賃借人の義務

・目的物保管義務(400条)
 賃借人は、目的物の保管について、善管注意義務(管理者として通常期待される注意義務)を負います。

・用法順守義務(民法616条)
 賃借人は、定められた用法に従って目的物を使用収益する必要があります。居住用の建物の場合、原則として賃借人が居住する目的で利用することが前提とされています。

・賃料支払義務(601条)
 賃借人は賃貸人に対し、使用収益に対する対価(賃料)を、定められた期限に支払う義務があります。

・賃借権の無断譲渡及び無断転貸の禁止(民法612条)
 賃借人は賃貸人の承諾なく目的物を第三者に使用収益させてはいけません(サブリースの禁止)。違反があった場合、賃貸人は契約を解除できるとされています。

・目的物返還義務(民法616条、597条1項、598条)
 賃借人は、賃貸借契約終了時に、目的物を借りたときの状態に戻して返還する義務を負います(原状回復義務)。

3.賃借権の登記

(1) 民法

 不動産の賃貸借は、賃借権を「登記」したときは、その後その不動産について物権を取得した第三者に対してもその効力を生じます(民法605条)。

 これにより、賃借人は、賃貸借が開始した後に土地の所有権等を取得した第三者に対して、賃借権を有していることを主張できることになります。

 ただし、賃貸借の登記は、賃貸人と賃借人が共同して行わなければなりません。

(2) 借地借家法

 借地借家法では、建物の賃貸借については、「建物の引き渡し」があったときは、民法上の賃貸借の登記がなされたのと同じ効力を生じます(同法31条1項)。

2.使用貸借契約

 使用貸借契約は、借主が目的物を無償で使用し、その後貸主に返還することを約束して目的物を引き渡すことで成立する契約です。

 賃貸借契約との主な共通点及び相違点は以下のとおりです。

(1) 共通点

・用法遵守義務及び無断転貸等の禁止(民法594条)
・善管注意義務(民法400条)
・目的物返還義務及び原状回復義務(民法598条)

(2) 相違点

・対価の有無(民法593条)
 賃貸借が賃料支払いを要件とする有償契約であるのに対し、使用貸借は無償で目的物を使用収益することができます。

・借地借家法の適用の有無
 使用貸借の場合、建物の貸し借りであっても借地借家法の規定は適用されません。

・登記の可否
 使用貸借については登記の方法がないため、目的物を取得した第三者に対し権利を主張することができません。

・必要費の負担(民法595条)
 使用貸借における通常の必要費については借主が負担します。

・返還時期(民法597条)
 返還時期(契約終了時期)については、当事者が契約において返還時期を定めた場合はそれに従います。
 返還の時期を定めなかった場合は、借主は、契約に定められた目的に従って使用収益をし終わったときに返還しなければなりません。
 他方、貸主は、「使用収益するのに必要な期間を経過したとき」は、直ちに借主に対して返還を請求することができます。

・借主の死亡による契約終了(民法599条)
 使用貸借の場合、借主が亡くなったときに効力を失い、契約関係は終了します。

3.まとめ

 賃貸借はと使用貸借は、民法上は上記のように区別がなされています。

 しかしながら、現実の事例では、借主が多少の経済的負担をしている場合など、賃貸借であるか使用貸借であるかが曖昧なケースも少なくありません。

 特に建物の貸し借りの場合は、借地借家法が適用されるか否かで結論が大きく左右されるため、慎重に対応する必要があります。

【注意】
 弊所では、居住用物件については貸主様からのご相談・ご依頼のみをお受けしております。
 居住用物件の借主様からのご相談・ご依頼(マンション・アパートを借りていらっしゃる方からの退去交渉等のご相談・ご依頼)は受け付けておりません。予めご了承ください(債務整理としてご相談をお受けすることは可能です)。
 なお、テナント物件(事業用物件)については、貸主様・借主様いずれの方からもご相談・ご依頼をお受けしております。

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