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セクハラの具体例


 ここでは、セクハラが問題になった具体的な裁判例について解説します。

1.裁判例の傾向

 仕事や行為者の職務上の地位を利用してなされたセクハラの場合、違法とされやすくなります。

 また、強制猥褻行為、性的行動を過度に要求する行為は違法となります。他方、性的行動を誘う程度の行為は、違法ではない場合があります。

 性的発言や噂を流すことは、職場環境の悪化を招き、人間の尊厳を傷付ける行為として違法となりえます。特に、性的発言などが被害者の退職に結びつく場合は、違法とされることが多いといえます。

 職場外、就業時間外のセクハラ行為であっても、違法とされる場合があります。

2.解説

 違法なセクハラ行為には、様々な種類があります。以下、典型的な類型ごとに裁判例を紹介します。

(1) 強制猥褻的行為

 業務の遂行と関連して強制猥褻行為に該当するセクハラが行われた場合、たとえそれが勤務場所外・勤務時間外に行われたものであっても、セクハラ行為者は法的責任を負います。行為者が被害者よりも高い地位にあれば、会社もその使用者として法的責任を負います。

 例として、千葉セクハラ事件(不動産会社・千葉地方裁判所平成10年3月26日判決:慰謝料等330万円)や岡山セクハラ事件(リサイクルショップA社・岡山地方裁判所平成14年11月6日:賠償額約765万円)等があります。

 また、強制猥褻行為でなくとも、セクハラ行為が反復継続される場合には、違法性の高い、強く非難されるべきSセクハラがあったと判断される傾向にあります。

 例として、2年間にわたり継続してセクハラ行為が行われた熊本セクハラ事件においては、教会・幼稚園に対し慰謝料等170万円の支払いを命じられました(大阪高等裁判所平成17年4月22日判決)。

 なお、偶発的かつ一瞬胸に触れる行為は、損害賠償責任を生じさせる違法な行為とはされないと判断されています(社団法人K事件 神戸地方裁判所平成17年9月28日)。

 また、男性職員が浴室にいる際に女性職員が浴室の扉を開けるなどの行為が、その職務の一つとしての防犯パトロールの一環として行われたものであることから、違法なセクハラには該当しないとした事例があります(日本郵政公社(近畿郵政局)事件・大阪高等裁判所平成17年6月7日判決)。

(2) 性的行為を誘引する場合

 直接に性的関係を迫る行為は違法なセクハラとされます(岡山セクハラ事件(労働者派遣会社)・岡山地方裁判所平成14年5月15日:慰謝料250万円)。

 出張先のホテルで女性部下をベッドに誘う行為も、地位を利用した違法な行為とされる(大阪セクハラ事件(資材販売会社)・大阪地方裁判所平成10年10月30日:慰謝料10万円)。

 他方、泊まりがけの研修会で社長から混浴を強要されたという事例では、社長との混浴は女性従業員多数と原告でなされ、原告が混浴に応じたことは1、2回程度であったこと、混浴は強要ではなく勧誘程度であったことから、セクハラは認められていません(バイオテック事件 東京地判平成11年4月2日)。

(3) 噂の流布・不当な発言

 男性従業員が部下である女性従業員の異性関係が派手であるという噂を流し、当事者の間で話し合いがつかなかったため、会社が女性従業員に退職を促し、女性従業員がそれを受けて退社の意思を示した事案で、行為者と会社の責任を認めた事例があります(福岡セクハラ(丙企画)事件、福岡地方裁判所平成4年4月16日)。

 更に、従業員同士が男女関係にあるかのような会社取締役の発言によって女性従業員が退職を余儀なくされたという事例もあります。

 裁判所は、会社には労働者との契約上、労働者のプライバシーが侵害されないよう、また労働者が意に反して退職することのないよう職場環境を整備する義務があるとして、会社の損害賠償責任を認めています(京都セクハラ(呉服販売会社)事件 京都地方裁判所平9年4月17日:賠償額約214万円)。

 同様に、上司の立場を利用して部下の女性に関して性的な風評を流布する行為が女性を退職に追い込む結果を招来した場合には、セクハラ行為者と会社は法的責任を負います(前掲岡山セクハラ(労働者派遣会社)事件。女性労働者2名に対して、慰謝料、未払給与相当額、退職後1年分の逸失利益、弁護士費用、賠償総額約3,010万円)。

 他方、社長の女性部下に対する無神経な言動(顧客との会食中に「昨晩あなたはどうやって私の部屋に入ってきましたか」と発言)は違法ではないとされた例もあります(大阪セクハラ(歯材販売会社)事件)。

 また、軽率、不適切、不穏当な発言(いわゆる下ネタ)であるからといって、必ずしも違法性があり、損害を発生させるものではないとした裁判例もあります(独立行政法人L事件・東京高等裁判所平成18年3月20日)。

(4) 就業時間外のセクハラ

 この問題に関しては、就業後の宴席が典型的な例として挙げられます。

 裁判例は、就業時間外の宴席二次会において、女性をソファーに押し倒す、顔を近づける、手の甲にキスをする、スカートをたくし上げようとするなどの男性の一連の行為は、性的自由や人間の尊厳を傷付ける違法な行為であるとしています。

 そして、就業時間外であっても、男性の行為は、女性に対して職務上上位にあるという地位を利用して、業務に関連して行われた違法なものであり、会社もその男性上司が行った違法行為の責任を負うと判断されています(大阪セクハラ(S運送会社)事件 大阪地方裁判所平成10年12月21日:慰謝料等110万円)。

 このように、従業員のセクハラ行為に対しては、会社側も然るべき対応をとる必要があるといえます。

【注意】
弊所では、残業代請求を含む労働トラブルについて、会社経営者様からのご相談(会社側のご相談)のみをお受けしております。 利益相反の観点から、従業員・労働者側からのご相談はお受けしておりませんので、予めご了承ください。

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