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介護事故10(損害賠償額と保険)

1.介護事故の損害賠償額と保険

介護事故が起きたときに、被害を受けた利用者は、介護事業者側にどのような損害賠償を請求しうるのでしょうか。

介護事故は、交通事故とは異なり、損害の範囲やその算定方法については、明確な基準が確立されているわけではありません。しかし、交通事故を参考として、主に以下の費目を損害として検討することになります。

介護事故が起きたときに被害を受けた利用者が請求できる損害には、大きく分けて以下の3つの費目が存在します。

積極損害

事故によって被害者が支出を余儀なくされた費用(治療費など)

消極損害

事故が発生しなかった場合に被害者が得るはずであった利益(年金収入など)

慰謝料

事故によって被害者が受けた精神的苦痛に対する賠償

以下、それぞれの費目についてご説明した後に、それらの損害賠償に備えるための保険についてもご説明いたします。

2.積極損害

1.介護事故の場合、以下のとおり、積極損害として多種多様な損害が考えられます。

治療費関係費

看護費・介護費

ア.付添費

症状や年齢等から、付添の必要性がある場合の入通院の付添費です。

イ.将来介護費(または介護費用増額分)

介護事故による後遺障害によって必要となった介護費を言います。

雑費

ア.入院雑費

入院1日1500円程度です。

イ.将来の雑費

通院交通費・宿泊費等

通院のための交通費は、原則として公共交通機関の料金が認められますが、タクシーの利用が相当なケガの場合にはタクシー料金が認められます。また、自家用車を利用した場合にはガソリン代が認められます。

装具・器具等購入費

ア.義歯,義眼,義手等
イ.介護用品器具

後遺障害のための器具等の購入・リース費も、必要かつ相当な範囲で認められる場合があります。

ウ.その他

家屋・自動車改造費・調度品購入費

後遺障害により、自宅で生活するためには自宅を改造する必要性がある場合、症状により必要かつ相当な範囲で認められる場合がります。

葬儀関係費用

被害者が死亡した場合のみ認められます。

ただし、これらは、実際に発生した際にのみ認められるものです。また、これらを支出したとしても、常に介護事業者側の賠償責任が認められるものではありません。あくまでも、事故との相当因果関係が認められる範囲でのみ、賠償責任が認められます。

3.消極損害

介護事故の場合、交通事故とは異なり、被害者である利用者は通常は就労していませんので、事故によって給与を得られなかった(休業損害)とか、後遺障害が残ったことにより将来収入を得られる見込みがなくなった(後遺症逸失利益)ということは問題になりません。

もっとも、介護サービス利用者が主婦として家事労働に従事していた場合や、死亡事故の場合には、逸失利益の有無や範囲が問題となります。

例えば、年金収入がある利用者が介護事故で死亡した場合には、余命を全うすれば得られたはずの年金収入相当額を遺族が請求することができます。

ただし、死亡しなかった場合には生活費がかかるところ、死亡によりその支払を免れるため、生活費分を控除した金額が損害額となります。

また、本来であれば年金は一括では支給されないものですから、一括で受領した金銭を運用することによって分割での支給額より多くの利益が得られることがないよう、中間利息控除というものがなされます。

上記の生活費控除と中間利息控除により、年金収入の逸失利益として認められる金額は予想よりかなり少なくなることもあります。

4.慰謝料

介護事故を原因とした慰謝料を大きく分けると、

  1. 入通院慰謝料
  2. 後遺障害慰謝料
  3. 死亡慰謝料
があります。

(1)入通院慰謝料は、介護事故により直接的に発生した痛みなどの苦痛だけではなく、入院又は通院することによる手間や生活上の不便による苦痛に対する損害賠償です。入通院慰謝料の金額は、入通院期間、通院回数、ケガの程度により変動しますが、一例を挙げますと、福島地方裁判所白河支部平成15年6月3日判決では、68日の入院(手術1回)、31日間の通院(通院1回)をした事故につき、100万円の入通院慰謝料を認めました。

(2)後遺障害慰謝料とは、事故により、治療をしても回復が期待できない身体の不自由や痛みなどの神経症状または精神的障害が発生した場合に、それによる精神的な苦痛に対する損害賠償です。

ただし、後遺障害と認められるためには、事故前と比べて、身体能力や精神能力が低下し、かつ、それと事故との因果関係が医学上説明できることが必要であると言われています。

後遺症慰謝料の金額は、後遺障害の程度により大幅に上下します。

(3)死亡慰謝料とは、利用者が死亡した場合に、遺族が請求しうるものです。死亡したときの年齢や事故前の健康状態、自己の態様などの具体的な事情によって金額は左右されますが、500万円を下回ることはないでしょう。

5.介護事故に備えるための保険

事業者賠償責任保険

事業者賠償責任保険は、被保険者が、偶然の事故によって、第三者に対する法律上の賠償責任を負担した場合に、被保険者が被る損害を填補する保険です。

事業者賠償責任保険において、被保険者は、事業者、事業者の役職員等とされているのが一般的です。被保険者が債務不履行又は不法行為によって損害賠償責任を負う場合に、約定された保険金の上限の範囲内で保険金が支払われます。

公的介護保険の指定事業者は、事業の提供により賠償すべき事故が発生した場合には、すみやかに損害賠償を行うことを義務付けられています。そのため、各損害保険会社から、介護事業者向けの保険が発売されています。

傷害保険

傷害保険とは、被害者が事故などにより負傷して入院や通院が必要になった場合、後遺障害が残った場合、死亡した場合に、保険金が支払われる保険のことをいいます。

介護事業者向けの傷害保険としては、利用者を被保険者とし、被保険者の傷害・死亡について一定の保険給付を支払う保険があります。

傷害保険は、事業者賠償責任保険と異なり、施設の賠償責任の有無にかかわらず被保険者である利用者に対し早期に保険金が支払われるというメリットがあります。

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