過払い金請求のデメリットとは
世間では過払いのいいところばかりを宣伝していて、デメリットをあまり聞いたことがないけど、本当に大丈夫なの?
お客様からこのようなご相談を受けることがあります。
そこで、当事務所でのご相談例を参考に、過払い金返還請求のデメリットをご説明します。
なお、現在お支払いを終えられているお客様(完済された方)であれば「過払い金請求」で大きなデメリットはありません。
ブラックリストへの登録
以前は、過払い金返還請求をすると、いわゆるブラックリスト(信用情報機関)への登録がされていました(「契約見直し(31)」)。
しかし、現在では、「返済終了後(完済後)」であれば、過払い金返還請求をしたとしても信用情報機関へ登録されることはなくなりました。
ただし、返済中の方の場合には、過払い金返還請求をすると、現在でも、「債務整理」と登録されますので、ご注意ください。
過払い金返還請求したカードは使用できません
いったん過払い金返還請求(準備手続きを含む)をした場合には、以後、その請求をしたカード(クレジットカード、ローンカード)は利用できなくなります。
これは、多くの業者で、過払い金返還請求をした場合には、解約扱いとなり(後日カードの返還を求められます。)、その結果、カードが利用できなくなるのです。
ただし、これはカード会社(消費者金融)ごとに取扱いが違う場合がありますので、注意が必要です。
ショッピング利用もできなくなります
先ほどご説明したように、過払い金返還請求をした場合には、カードが解約扱いとなりますので、信販会社から発行されるカードについては、ショッピング利用もできなくなります。
この場合には、毎月固定の経費をカードでお支払いをしている場合(例えば、水道光熱費、通信費(電話使用料など)、保険料)には、支払方法を変更する必要があります。
なお、キャッシング(ローン)カードの場合も、キャッシングは以後ご利用できません。
また、キャッシング部分の過払い金請求のみ分離して手続をすることはできませんのでご注意下さい。
以下では、キャッシングとショッピングの双方を利用できるカードの一例を取り上げます。
キャッシング・ショッピング双方が利用できるカード
- アプラスカード(アプラス)
- イオンカード(イオンクレジットサービス)
- 出光カード(出光クレジット)
- エムアイカード(伊勢丹アイカード)
- オリコカード(オリエントコーポレーション)
- OMCカード(オーエムシーカード セディナ)
- セゾンカード(クレディセゾン)
- CFカード(セントラルファイナンス セディナ)
- クオークカード(セディナ)
- さくらカード
- セゾンファンデックス
- 全日信販
- ゼロファースト
- エポスカード(丸井)
- 富士クレジット
- 三井住友カード
- タカシマヤカード(高島屋カード)
- りそなカード
- ライフカード
- ポケットカード(旧マイカルカード)
- 楽天KC
- 楽天クレジット
- ジャックスカード
- GEカード(GCカード 新生カード)
- DCカード(三菱UFJニコス)
- ニコスカード(三菱UFJニコス)
- UFJカード(三菱UFJニコス)
- JCBカード(ジェーシービー)
- クレディセゾン(UCカード)
- ビューカード
- 東武カード
- トヨタファイナンス
- シティーカード
ETCカードにもご注意ください!
過払い金請求したカードは、解約扱いとなるため、ETCカードがあれば、このETCカードも使えなくなります。
ほかのカードにも影響があるの?
原則として、影響はありません。 つまり、複数あるカードのうち、その一部だけについて過払い金返還請求をしたとしても、残りのカードについては今までどおり使えます。
ただし、1つの信販会社で複数の名称のカードを発行している場合(ニコスとDCなど)には、一部のカードについて過払い金返還請求をした場合には、他のカードも使えなくなりますので、注意が必要です。
また、保証関係にある場合(三菱東京UFJ系とアコム・ニコス)にも、使えなくなる可能性がありますので、注意が必要です。
デメリットはあまりありません
ご説明したように、特に完済後であれば、過払い金返還請求をしたとしても、大きな影響はありません。
また、長期間にわたって支払を滞納している場合には、それだけでブラックリストに登録されている可能性がありますから、なおさらデメリットは少ないといえます。