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返済期限を定めていなかった場合の対応


 親しい人の間で金銭の貸し借り(金銭消費貸借)を行う場合、具体的な返済期限を定めないこともあります。

 このような場合、貸主はいつ返済を求めることができるのでしょうか。

1.民法の規定

 民法591条1項には、「当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる」と定められています。

 したがって、まず「相当の期間」を定めた催告を行い、「相当の期間」が経過した後に、返還請求ができるようになります。

 つまり、「今日中に返して欲しい」というような即時の返還請求は、法律上は認められていません。

 また、民法には「相当の期間」としか記載されておらず、具体的な日数までは明記されていません。「相当の期間」とは、取引上一般に必要とされる期間、と解釈されています。原則として、1週間前後と考えられています。

 もちろん、個別的な特殊事情があれば違ってくることもあります。

 ただし、本当に特殊事情があるような場合は、それに対応して返済期限を明確に定めていることが多いでしょう。また、明確に合意していなくても、金銭貸付の経緯から、黙示的に返済期限を設定したと言えることもあるでしょう。

 さらに、返還の催告の手段には制限がないため、直接相手方に会ったときや電話の際に口頭で伝えただけでも効力は生じます。

 しかし、後に債務者との間でトラブルになった場合、口頭で伝えただけでは、言った、言わないの水掛け論になってしまいます。

 したがって、記録に残るような方法で、催告を行う必要があります。

 催告を行った日時を証明できる最も確実な手段は配達証明付内容証明郵便ですが、債権額によっては手間や費用が見合わないことがあります。

 手軽に日時を記録できる連絡手段としてFAXや電子メールが挙げられます。確実に相手に届いたか否かについては内容証明郵便ほどの証明力はありませんが、費用と手間がかからないため、こちらも有効に活用すべきです。



 

2.返済期限を定めていなかった場合の遅延損害金の起算日

 金銭の貸し借りの際に具体的な返済期限が定めてあった場合、その返済期限の翌日が遅延損害金の起算日となります。

 では、返済期限を定めていなかった場合はいつから遅延損害金が発生するのでしょうか。

 返済期限を定めていなかった場合、相当の期間を定めて催告を行った後に請求することになります。

 したがって、配達証明付内容証明郵便で「この書面到達の日から○日以内に支払え」というような催告をした場合は、その返済期限の翌日が起算日となります。具体的には、4月7日に「この書面到達の日から7日以内に支払え」という書面が到着した場合、4月15日が起算日になります。

 そのような催告をせずに訴訟を提起した場合は、一般的には「訴状送達の日の翌日」が遅延損害金の起算日になります。

 また、「この書面到達の日から7日以内に支払え」という催告を行ったものの、その催告を行った証拠がない場合も、判決では「訴状送達の日の翌日」からの遅延損害金しか認められない可能性があります。

 上記で「返還の催告」を行った記録を残すことの必要性について説明いたしましたが、その法的な重要性の一つが、この遅延損害金の起算日を証明することができることにあります。

 普通郵便で「4月15日までに支払え」という書面を送り、遅くとも4月17日には相手方に届いたと考えられる場合、4月18日を起算日として遅延損害金を請求することになりますが、相手方が「そのような書面は受け取っていない」と主張した場合、普通郵便では4月17日に届いたことを証明することができないため、上記のとおり、訴状送達の日の翌日からの遅延損害金しか認められない可能性が高くなります。

3.返済期限を定めていなかった場合の時効の起算日

 上記では遅延損害金の起算日について説明いたしましので、同じく起算日が問題となる消滅時効についてもご説明いたします。

 返済期間を定めないで金銭を貸した場合の時効の起算日について、判例は、期限の定めのない消費貸借における貸主の返還請求権については、契約成立と同時に弁済期が到来するとしています。

 この見解によれば、仮に、Aさんが、平成20年4月1日、友人のBさんに100万円を、返済期限を定めずに貸し、返済を求めることなく平成30年3月1日に亡くなった場合、Aさんの相続人が4月2日にBさんに催告を行っても、Bさんは消滅時効の援用が可能となります。

 しかし、学説は、この結論に反対しています。

 すなわち、返済期限のない貸金は相当の期間を定めて弁済の催告をした上で、その債権の支払を求めることができるのであるから、契約成立の時から相当期間を経過した時から消滅時効は進行すると解しています。

 以上のように判例と学説で見解が別れていますが、いずれにせよ催告を行う前であっても時効が進行することにはご注意ください。

【注意】
弊所では、債権回収業務について、事業性資金(事業により発生した債権(例:工事代金、売買代金、診療報酬などの売掛金や賃料・リース料など))の回収業務のみをお受けしております。個人間・親族間の貸付け等(親子間の貸付けや、個人的な貸付け)の債権回収は受け付けておりません。予めご了承ください。

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