多重債務をなんとかしたい方へ
多重債務とは?
多重債務とは、一般的に、複数の貸金業者(消費者金融や悪質な闇金など)から借金をしていて、その借金の返済が困難になっている状態をさします。もっとも、複数の借り入れ行っている場合であっても、住宅ローンと自動車ローンを負っている人については、「多重債務者」という呼び方はしません。
多重債務者の多くは、既にある借金の返済のため、別の貸金業者からの借り入れを繰り返してしまい、借金が雪だるま式にふくらんでしまっている状態にあります。
なぜこのような状態になるの?
一般的に、貸金業者からの借入れは利息が高くなっています。そのため、例えば、A社からの借金を返済するために、今度はB社から借入れをするとなると、A社に返済しなければならない分に、B社の利息が加わることになります。
したがって、A社からの借金はなくなりますが、代わりにB社の借金は残ることになります。しかも借金の金額は、B社の利息の分だけ増えていることになります。
さらに、B社に返済するために今度はC社から、C社に返済するために次はD社から・・・というように、いろいろなところから借入れを行ってしまうと、それによって毎回利息が加わっていくことになります。そうすると、借入額は段々と増えていき、借入れをしなければ返済ができない状態になってしまいます。まさに「自転車操業」になってしまうのです。
多重債務を放置するとどうなるの?
借金の返済が困難になると、借入先から督促状などが届いても対応せず、とりあえず返済を無視してその場をしのぐケースが多々あります。しかし、借金を放置したままにするのは、とても危険です。
返済しなくなってから最初のうちは、たまに債権者からの督促状が届いたり、電話が入るくらいで済むでしょう。しかし、借金を長いこと放置していると、債権者の取り立ては段々と厳しくなってきます。朝昼晩とおかまいなしに債権者から電話がかかってきたり、督促状ではなく直接的に返済の請求が始まるでしょう。こうなれば、返済を無視し続けることはできなくなってきます。
そして、この段階までくると、債権者は一括での返済を要求してきます。多重債務にお悩みの方は、月々の分割返済ですら難しいのに、一括でなんて払えるわけがない、と思うはずです。しかし、債権者はあの手この手で返済金を回収しようと多重債務でお悩みの方を追い込みます。場合によっては、取り立て行為がエスカレートし、ご自宅に直接債権者が取り立てに来るなど、悪質なものになってきます。
差押えって何?
それでも借金を返済しない状態が続くと、債権者は法的手続をとってくることが多いです。
まず、債権者は、裁判所をとおして借金の支払いを督促したり、借金の返済を求める裁判を起こします。その結果、「債務を支払うように」との判決などが出たら、債務者は、借金の(利息を含めて)全額を支払いをしなければなりません。
もし判決に従わなかった場合には、債権者は、裁判所に差押えの申立てをします。
差押えとは、返済が滞っている債務者に対し、債権者が裁判所に申し立て、債務者の財産(車、給料、不動産など)から債権を回収する法的手段です。
差押えをされてしまうと、給料が差し押さえられ、お勤め先に借金をしていることを知られてしまい、お勤め先での信用が下がってしまったり、預金・車・不動産などの大切な財産を失うことになってしまいます。
特に、給料を差し押さえられてしまうと、借金の支払いを一括でするか、債務整理といった手続に着手しない限り、延々と給与の差押えをされてしまうことになりますので、生活に極めて大きな打撃を受けることになります。
また、借金の負債額には、今まで滞納した分の損害金も含まれます(遅延損害金といいます)。
滞納していた借金額が大きいほど、遅延損害金も大きくなるのが一般的なので、多重債務者の場合、遅延損害金まで含めた借金の総額がかなり大きくなってしまうことも珍しい話ではありません。
多重債務を解決するにはどうしたらいいの?
ひとたび多重債務状態になってしまうと、個人で解決することは極めて難しいです。債権者からの一括返済や、取り立てを回避するためには、弁護士に相談して債務整理を行うか、自己破産手続を受けるなどの手段によって早期に解決することが肝腎です。
弁護士が債権者との間に入り、債務整理が始まれば、貸金業者は債務者への直接の取立てが原則としてできなくなります。債務者にとっては、毎日のように届いていた督促から解放されることになります。すでに厳しい取り立てが始まっていたとしても、現状の取り立てをいったんやめてもらい、新しい返済計画を組み立てたてたりするなどの対応が可能です。
多重債務は放置しても何の解決にもなりませんし、個人で解決するのは極めて困難です。まずはお気軽にご相談ください。