法人破産を決意するタイミングとは?
いつ法人破産に踏み切るべきか、は非常に悩ましい問題です。
事業を経営されている方としては、取引先への配慮や従業員の生活などから、最後まで頑張り続けたいとお考えになるお気持ちはとてもよく分かります。
しかし、取引先やメインバンク、従業員などの関係者へかかる損害をできるだけ小さくし、きちんとした事業をたたむには、法的な手続きが必要になることがほとんどです。
そのためには、下記のとおり、一定の費用や予納金が必要となります。
ですから、必要な費用を準備できるタイミングを逃してしまうと、後になって事業が行き詰ってどうしようもなくなったとしても、すぐに適切な倒産処理をすることができず、かえって関係者の方々に迷惑がかかってしまうことがあります。
- 「今月さえ乗り切れることができれば・・・。
- 「あと○○万円あれば乗り切れるはずだ。」
- 「あの方には迷惑をかけられない・・・。
などという思いはおありでしょうが、ぜひ手遅れになる前に、弁護士へご相談ください。
このような状況であればすぐご相談ください
もし、下記のような状況であればすぐにご相談ください。
- 月末の手形の決裁がどうしてもできない
- このままでは取引先への支払いができず、仕入れもできない
- 銀行から新たな融資を断られ、資金繰りができない
- 消費税や社会保険料などの滞納がある
法人破産にかかる費用とは
破産手続きをするには、裁判所に申立手数料と予納金を納める必要があります。
また、破産申立てを弁護士に依頼する場合には、別途弁護士費用がかかります。
また、法人の代表者等が個人として法人の借入れ等について保証をしている場合には、通常、代表者個人についても破産申立てが必要となります(法人の破産事件と法人代表者の破産事件は、関連事件ではありますが、別個の事件となります。)。
千葉地方裁判所では、法人やその代表者または個人事業主の破産については、原則として破産管財人が選任される管財事件となります。
千葉地方裁判所では、破産管財人が選任される管財事件の費用は、原則50万円程度とされています(弁護士を代理人として破産申立てをする場合には減額となることがあります。)。
申立手数料や予納金の金額は、事業規模や債務総額、債権者数等によって変わります。
債務総額 | 費用 |
---|---|
5000万未満 | 70万円 |
5000万円~1億円 | 100万円 |
1億円~5億円 | 200万円 |
5億円~10億円 | 300万円 |
10億円~50億円 | 400万円 |
50億円~100億円未満 | 500万円 |
ご自身や周囲の方のためにも弁護士を
法人の破産については、破産をすると決断した時から、取引先や債権者との対応、従業員との対応、会社に残っている物件の処理など、さまざまな処理が必要となります。
とくに、破産申立てをするということが不用意に周囲に知られてしまいますと、無用の混乱を招いてしまう可能性もあります。どのタイミングで破産申立てを周知し、どのようにして混乱を最小限におさえ、どのようなスケジュールで破産申立てをおこなうのかは、非常に重要な問題です。
このような問題については、ぜひ経験豊富な弁護士にお任せください。
会社代表者の方は、何とか資金繰りをしようと、精神的にお辛い時間を過ごしてきたことと思います。しかし、いったん破産のお覚悟が決まりましたら、後は弁護士が適切なタイミングで通知を出し、必要な対応をさせていただきますので、精神的負担が軽減されるはずです。
万が一、夜逃げや自殺という考えが頭をよぎるという場合には、その前に一度、弁護士にご相談ください。
借金問題は、生きて適切な処理をすれば、いつか必ず解決できる問題です。ご家族や取引先の方々のためにも、適切な倒産処理が重要です。
ぜひ、弁護士に倒産処理をお任せください。
事業を続けたい場合には
破産手続きをすると、法人の財産は原則としてすべて処分され、債権者への配当にまわされます。また、破産手続きの終了により、法人は消滅します。
したがって、破産手続きを選択するということは、基本的に廃業をするということと同じです。
借金の圧縮や不採算部門を整理することなどにより、事業の継続を前提にその再建をしたいという場合には、破産手続きではなく、民事再生手続きなどの他の手続きを利用できる場合があります。
もっとも、民事再生等の手続きを利用するには、再建の見込みがあることを前提に、一定の条件や費用が必要となります。
当事務所では、民事再生の手続きにつきましてもご相談に応じております。法人の経営が苦しくなってきているが、事業をたたむかは決断できていない、むしろ可能であれば事業を続けたい…そのような方のご相談もお受けしております。
お客様の状況にあったアドバイスをさせていただきますので、ぜひ一度、無料法律相談をご利用ください。