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法人破産・民事再生の手続概要

否認権とは?

否認権とは、破産管財人に認められている権利のことで、破産者が破産手続開始決定前にした財産減少行為等の効力を否定し、配当に回す財産に取り戻すために与えられている権利です。

どういうことかというと、資金繰りに苦しくなった債務者(破産者)は、その場をなんとかしのぐために持っている財産を安く売ってしまったり、場合によっては財産を隠そうとしたりしてしまうことがあります。
このような行為がされると、本当ならば債権者の配当に回されるべきだった財産が減少してしまうことになります。また、破産者が、もう資産がないのに、つながりの深い一部の債権者にだけ返済をすることもよくみられます。

しかし、このような行為は、本来であれば債権額に応じて平等に扱われるべき債権者のうち一部だけが不当に得をすることになってしまい、破産法の理念が達成できません。

そこで、破産管財人には、破産者が事実上経済的に破たんした時点で行われた一定の破産法の理念に反する行為について、その効力を否定する権利が与えられています。この権利を、否認権といいます。

つまり、否認権は、公平な配当の実現という、破産法のルールを実現するための権利です。

否認権の類型

否認権は、大きく分けて以下の2つに分けることができます。

  1. 詐害行為否認(詐害否認)
  2. 偏頗行為(へんぱこうい)否認(偏頗否認)

詐害行為否認(詐害否認)

詐害行為否認とは、破産者(またはそれと同視できる者)の財産減少行為を対象とするケースのことを指します。

財産減少行為とは、たとえば、破産者の持っている財産を不当に安く売却処分したり、無償で贈与してしまったりなどといった行為のことを指します。

詐害行為否認は、さらに以下のとおり分類することができます。

  1. 破産者が破産債権者を害することを知ってした破産債権者を害する行為の否認(破産法160条1項1号)
  2. 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立てがあった後にした破産債権者を害する行為の否認(同2号)
  3. 詐害的債務消滅行為の否認(破産法160条2項)
  4. 無償行為の否認(破産法160条3項)
  5. 破産者が相当対価を得てした処分行為の否認(破産法161条)

偏頗行為否認(偏頗否認)

「偏頗行為否認」(偏頗否認)とは、破産者が特定の債権者に対してだけ利益を与える行為をした場合に、その行為の効力を否定して、破産者の手元から失われた財産を取り戻すタイプの否認権です。
破産手続きでは、同じ優先順位の債権者同士では債権額に応じて平等に配当をしなければなりません。

たとえば、同じ担保権の付いていない債権500万円を持つ債権者同士では、両方が同じ金額の配当を受けるはずで、片方の人だけ多く返済を受けることはあってはなりません。

ところが、破産者が破産手続き開始決定前に特定の債権者にだけ利益を与える行為をしていたのをそのまま放置してしまえば、破産法の基本ルールである債権者間の平等が損なわれてしまいます。

そこで、このような破産法の基本ルールに反する事態を修正する制度として、破産管財人に否認権が認められています。

偏頗行為否認には、以下の2類型に分類することができます。

  • 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした偏頗行為の否認(破産法162条1項1号)
  • 破産者が支払不能になる前30日以内にした非義務的偏頗行為の否認(同項2号)

詐害行為否認

①破産者が破産債権者を害することを知ってした破産債権者を害する行為の否認(法160条1項1号)

これは、破産者が破産債権者を害すること―つまりその行為によって配当の元となる破産者の財産を減少させること―を知って、破産者が財産減少行為をおこなった場合に、当該財産減少行為の効力を否定するというものです。

破産者が債権者を害することを知って行為をおこなっているのですから悪質性が高いとされ、他の類型と違って期間制限が問題となりません。
ただし、財産減少行為の相手方(「受益者」といいます。)が、債権者を害することを知らなかった場合には、否認権を行使することができないとされています。

②破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立てがあった後にした破産債権者を害する行為の否認(法160条1項2号)

これも、①と同じく債権者を害する行為の効力を否定するものです。

①と違うのは、「支払の停止又は破産手続開始の申し立てがあった後」と、対象となる行為がされた時期について制限が設けられていることです。その代わりに、①では「破産者が債権者を害することを知って」その行為をおこなったことが必要ですが、この類型では要件とされていません。

これは、支払の停止―つまり実質的に倒産状態に陥った時点や破産手続き申立てをするに至った時点―では、これから先倒産手続きがおこなわれ、残った財産が債権者への配当に回されることはほぼ確実であり、破産者としてはむやみに財産を減少させないように気を付けることはもはや当然と考えられます。

このような時期にあるにもかかわらず、財産を減少させる行為をすることは悪質性が高いと考えられるので、破産法は、破産者が債権者を害することを知っていたかどうかを問題とせず、その効力を否定することを認めています。

ただし、財産減少行為の相手方(「受益者」といいます。)が、債権者を害することを知らなかった場合には、否認権を行使することができないとされています。

③詐害的債務消滅行為の否認(法160条2項)

これは、破産者が債務の支払い等のためにした行為が債権者を害する場合に、その効力を否定するものです。

たとえば、100万円の借金を返済する代わりに、1000万円の土地をお金の代わりに支払うこと(「代物弁済」といいます。)などがこれに該当します。
もともと破産者が借金の返済等をすることは当然のことで、債権者間の平等を害しないかぎり問題とはなりません(債権者間の平等を害する行為は、詐害行為否認としてではなく偏頗行為否認として問題となります)。

しかし、たとえ借金の支払いなど破産者の債務(負債)を減らす行為であっても、マイナスの方がプラスよりも多い場合には、債権者間の平等だけではなく破産者の財産の減少という点からも問題となります。

そこで、破産法上は、このような行為のうち過大な部分について効力を否定することを認めています。

たとえば、100万円の借金の返済として1000万円の土地がお金の代わりに支払われた(代物弁済された)場合、900万円分について、効力が否定されることになります。

④無償行為の否認(法160条3項)

これは、破産者が何の対価もなく、財産を贈与等した場合にその効力を否定するものです。

財産の乏しい人が何の見返りもなく財産を手放すのですから、これが債権者にとって迷惑となってしまうことは色々と説明をしなくても明らかといえます。

そこで、このような行為については、当事者に債権者を害する意思があったかどうかを問わず、効力を否定することが認められています。

ただし、あまりに昔の行為の効力を後から否定できるのでは、それを受け取った相手方(「受益者」といいます。)にとって過酷にすぎることがあるので、支払の停止―つまり破産者が実質的倒産状態に陥った時から6か月以内の行為に限り、否認権の行使が認められています。

⑤破産者が相当対価を得てした処分行為の否認(法161条)

これは、破産者が財産隠しをする目的で、持っている不動産等を売却してお金に換えるなどする行為の効力を否定するものです。

たとえば、1000万円の土地を売って、1000万円の現金を得た場合には、金額的なプラスマイナスという意味では何も問題がなく、債権者に迷惑をかけていないようにみえます。

しかし、土地はその場所から動かして持ち出すことはできませんし、譲渡などをすれば登記簿にその記録が残ってしまいます。これに対して現金は、どこへでも持ち運ぶことができますし、いったん他の人の現金と混ざってしまえば、破産者の現金と他の人の現金を区別することは難しいです。

ですから、このような行為も、場合によっては債権者を害する行為となることがあります。

そこで、破産法では、破産者が財産隠し等の目的でこのような行為をおこない、その相手方も破産者の目的を知っていた場合には、行為の効力を否定することを認めています。

偏頗行為否認

①破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした偏頗行為(法162条1項1号)

破産者が負債を返済できなくなり実質的に倒産状態に陥った場合には、たとえ破産手続きの開始前であっても、今後、債権者への平等な配当を実現するため、特定の債権者に対してだけ利益を与えて債権者間の平等を損ねるような行為はつつしむべきと考えられています。

そこで、破産法では、破産者が支払不能に陥った後、または破産手続きの申立てをした後に特定の債権者に対してのみ利益を与える行為の効力を否定することを認めています。

②破産者が支払不能になる前30日以内にした非義務的偏頗行為の否認(法162条1項2号)

これは、破産者が支払不能―つまり実質的倒産状態―となってから30日以内にした期限前の支払いなどの効力を否定するものです。

①の場合は、対象となる偏頗行為が破産者の支払不能または破産手続申立て後とされていました。

これに対し、②は、わざわざ債権者の平等を損なってまで支払いをしなければならない義務が法律上ないのに、あえてそのような行為を行ったことのダメージにかんがみ、効力の否定される時期を支払不能の30日前まで拡大することを認めたものです。

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