不倫慰謝料を請求したい方―民事裁判のデメリット
- 「裁判をした方がいいのはどのような場合?」
- 「そもそも裁判ってどのようなものなの?」
このページでは、不倫・不貞慰謝料問題について、民事裁判を提起するかどうかを検討する前提として、裁判をすることのデメリットなどを中心に、当事務所の考え方をご説明いたします。
なお、不倫・不貞慰謝料の請求をするには、必ず裁判をしなければならないというわけではありません。実際、裁判を提起せずに解決するケースも多いです。
しかし、裁判をはじめから選択肢から除外して解決を試みることは、当事務所としてはおすすめしておりません。
民事裁判とは
民事裁判とは、当事者間で法律上の権利義務について争いがあることを前提に、裁判所が公権力によって、紛争を解決する手続きです。
民事裁判では、裁判を提起する側(不倫・不貞慰謝料を請求する側)の方を「原告」といい、裁判を起こされた側(請求の相手方)を「被告」と呼びます。
裁判は、通常、原告の住所地を管轄する地方裁判所に提起します(被告の住所地を管轄する裁判所にも提起することができます)。
裁判においては、原告は、自分が権利を持っていることについて、主張・立証をしなければなりません。つまり、不倫・不貞慰謝料を請求する場合には、不倫・不貞の事実があったこと、その期間、不倫・不貞の事実により精神的苦痛をこうむったこと等について、原告が証拠に基づき主張・立証をしなければなりません。
民事裁判を提起する場合のデメリット
民事訴訟を提起した場合、次の3つのデメリットが生じる可能性があります。したがって、下記の点も考慮して裁判を起こすかどうかを検討する必要があります。
民事裁判のデメリット
- 裁判準備のため一定の時間がかかること
- 相手方の対応により解決まで時間がかかる場合があること
- 判決を確実に予測することはできないこと
上記デメリットについての詳しい解説
裁判準備のため一定の時間がかかること
裁判には一定の時間がかかります。これは事実です。
時間がかかる理由の1つが、裁判提起のための準備です。
裁判を提起するには、訴状の作成が必要なことはもちろん、証拠書類の精査(提出すべき書面とそうでな書面の仕分け、証拠書類の読み込みなど)、証拠説明書(訴状の内容と証拠との関係を説明する書面)の作成が必要となります。
そのほか、戸籍関係の調査が必要となる場合もあります。
以上の準備には、おおむね1か月程度の時間がかかります。
しかしながら、これらの時間は、裁判の追行をスムーズにし、お客様の利益をより確実なものにするために必要な時間ですので、あらかじめご了承ください。
相手方の対応により解決まで時間がかかる場合がある
例えば、不倫・不貞の相手方が不倫・不貞の事実を全面的に争ってきた場合などには、判決まで、かなりの時間が必要となることが多いです。
裁判の提起から判決までは、平均すると、1年程度の期間がかかってしまいます。
裁判外で交渉し、解決できたケースと比べると、倍以上の時間がかかることになります。
ただ、この時間も、適正・妥当な金額の慰謝料の支払いを受けるために必要不可欠な時間ですので、あらかじめご了承ください。
なお、裁判手続きの途中であっても、和解により事件を解決できる場合もあります。詳しくは、下記の解説をご参照ください。
判決内容を確実に予測することはできないこと
判決の内容をあらかじめ予測することは難しいです。
仮に、不倫・不貞行為の証拠資料が十分そろっており、不倫・不貞の事実の立証が十分と考えられるケースであっても、その事実を前提に裁判官が認めた慰謝料額が、こちらの考えていたものとは異なってくる可能性もあります。
手持ちの証拠資料が十分ではないケースであれば、なおさら判決内容の予測は難しくなります。
このように、判決の内容は、裁判官の心証(そのケースに対する考え・判断)しだいですから、どのような判決が言い渡されるか、すなわち、「慰謝料の金額がいくらか」を事前に正確に予測することは困難です。
もちろん、当事務所の弁護士は、これまでの経験や類似のケースとの比較から、お客様に裁判の見通しをご説明させていただきます。その上で、裁判を進めてまいりますので、ご安心ください。
ケースによっては裁判の提起も選択肢のひとつ
このように、不倫・不貞慰謝料の請求について裁判をすることにはデメリットもありますが、ケースによっては裁判をするメリットが上回ることもあります。
当事務所としては、最初から「裁判の提起」という選択肢を除外して事件の解決を目指すことは、おすすめしておりません。
なお、裁判を提起するかどうかについては、お客様と十分に協議して決めさせていただきますので、ご安心ください。
裁判の途中で和解が成立する可能性
先ほども述べましたとおり、裁判を提起して判決まで至った場合には、一定の時間が必要となります。
ただし、裁判の途中でも、裁判官が双方に対し和解案の提示をすることがあります(「和解勧試」といいます)。
その上で、当事者双方が和解案を受け入れれば、裁判手続きの途中で裁判が終わることになりますから、判決まで至るよりも早く、平均して裁判提起から半年程度で事件が解決することもあります(当事務所の統計では、約7割程度の事件が和解で終了します)。
和解のメリット
なお、一般論として、和解には、次のようなメリットがあるといわれています。
①判決の予測を立てることができること
裁判官の和解案は、裁判途中での双方の主張・立証を踏まえた上で提示されるものです。したがって、このまま手続きを進めて判決に至った場合、その内容がどのようなものになるのか、どのくらいの慰謝料の支払いが認められるのかをある程度予測することができます。
多くの場合、裁判官は、ある程度心証が形成できた段階、つまり判決の見通しが立った段階で和解案を提示してきますから、判決まで争ったとしても、必ずしも、その内容が和解案よりも有利になるとは限りません。
②和解調書は「債務名義」となる
裁判上の和解が成立したときに作成される文書(和解調書)は、強制執行手続きに必要な「債務名義」となります。つまり、和解調書には、確定判決と同一の効力があります。
したがって、和解調書で約束された慰謝料の支払いがされない場合には、再度の裁判をすることなく、相手方の財産に対する強制執行(差し押さえ)を申し立てることができます。
③慰謝料の支払い以外の条件を付けることができる
和解をする場合には、和解調書に謝罪の文言を入れたり、慰謝料の支払いの他に接近禁止などの条件を付けることができます。これに対して判決の場合には、慰謝料の支払い(「金○○円を支払え。」等)以外の内容を盛り込むことはできません。
その時々の状況により様々な選択肢があります
このように、不倫・不貞慰謝料の請求においては、裁判を提起するか、裁判を提起した後に手続きの途中で和解するか、など、その時々の状況に応じて、様々な選択の余地があります。
当事務所では、このような重大な局面に際し、担当弁護士がお客様に対して法的なアドバイスをさせていただきますので、ご安心ください。
当事務所では、請求する側・請求される側の双方ともに、常時、複数の不倫・不貞慰謝料裁判を取り扱っており、解決事例も豊富です。
お客様の置かれた状況に応じて、最適な対応をご提案いたしますので、ご不明な点等がございましたら、お気軽にご相談ください。
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当事務所サービスエリア(千葉県の裁判所管轄と裁判所所在地)
千葉/水戸地方・家庭裁判所管轄区域一覧
本庁 | 支部 | 管轄地域 |
---|---|---|
千葉地方・家庭裁判所 | 千葉市(中央区、花見川区、稲毛区、若葉区、緑区、美浜区)、習志野市、市原市、八千代市、市川市、船橋市、浦安市 | |
佐倉支部 | 佐倉市、成田市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、印旛郡(酒々井町、栄町) | |
一宮支部 | 茂原市、勝浦市、いすみ市、長生郡(一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町、長南町)、夷隅郡(大多喜町、御宿町) | |
松戸支部 | 松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市 | |
木更津支部 | 木更津市、君津市、富津市、袖ヶ浦市 | |
館山支部 | 館山市、鴨川市、南房総市、安房郡(鋸南町) | |
八日市場支部 | 匝瑳市、香取郡(多古町)、山武郡(芝山町、横芝光町、九十九里町)、銚子市、旭市(旧旭市、旧海上郡海上町、旧海上郡飯岡町)、東金市、山武市、大網白里市、 | |
佐原支部 | 香取市、旭市(旧香取郡干潟町)、香取郡(神崎町、東庄町) | |
水戸地方・家庭裁判所 | 水戸市,ひたちなか市,那珂市,鉾田市、小美玉市の内 旧東茨城郡小川町,旧東茨城郡美野里町、那珂郡(東海村),久慈郡(大子町)、 東茨城郡の内 茨城町,大洗町,城里町(七会支所の所管区域を除く。) |
|
日立支部 | 日立市,高萩市,北茨城市 | |
土浦支部 | 土浦市,つくば市、つくばみらい市、 かすみがうら市の内 旧新治郡霞ヶ浦町、 稲敷郡の内 阿見町 美浦村、石岡市、 かすみがうら市の内 旧新治郡千代田町、 小美玉市の内 旧新治郡玉里村 |
|
龍ケ崎支部 | 龍ケ崎市,牛久市,稲敷市 、 稲敷郡の内 河内町、 取手市、守谷市、北相馬郡(利根町) |
|
麻生支部 | 鹿嶋市,潮来市,神栖市,行方市 | |
下妻支部 | 下妻市,常総市,結城郡(八千代町)、結城市,筑西市、 桜川市の内 旧真壁郡真壁町、旧真壁郡大和村、 古河市、坂東市、猿島郡(五霞町 境町) |
千葉/水戸地方・家庭裁判所所在地一覧
本庁 | 支部 | 管轄地域 |
---|---|---|
千葉地方・家庭裁判所 | 千葉県千葉市中央区中央4-11-27(JR総武線・内房線・外房線千葉駅から徒歩15分、京成千葉線千葉中央駅から徒歩8分) | |
佐倉支部 | 千葉県佐倉市弥勒町92(JR総武本線佐倉駅から徒歩30分、京成本線京成佐倉駅から徒歩15分) | |
一宮支部 | 千葉県長生郡一宮町一宮2791(JR外房線上総一ノ宮駅から徒歩3分) | |
松戸支部 | 千葉県松戸市岩瀬無番地(JR常磐線松戸駅から徒歩7分) | |
木更津支部 | 千葉県木更津市新田2-5-1(JR内房線木更津駅から徒歩8分 | |
館山支部 | 千葉県館山市北条1073(JR内房線館山駅から徒歩15分) | |
八日市場支部 | 千葉県匝瑳市八日市場イ2760(JR総武本線八日市場駅から徒歩15分) | |
佐原支部 | 千葉県香取市佐原イ3375(JR成田線佐原駅から徒歩15分) | |
水戸地方・家庭裁判所 | 茨城県水戸市大町1-1-38(JR常磐線水戸駅北口徒歩約10分) | |
日立支部 | 茨城県日立市幸町2-10-12(JR常磐線日立駅中央口から徒歩約10分) | |
土浦支部 | 茨城県土浦市中央1-13-12(JR常磐線土浦駅西口から徒歩約15分) | |
龍ケ崎支部 | 茨城県龍ケ崎市4918(JR常磐線佐貫駅から関東鉄道竜ヶ崎線竜ヶ崎駅下車徒歩約20分, 又は竜ヶ崎駅からバス(江戸崎行き等)乗車5分,観音前停留所下車徒歩3分) |
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麻生支部 | 茨城県行方市麻生143(JR鹿島線潮来駅から車,タクシーで約20分) | |
下妻支部 | 茨城県下妻市下妻乙99(関東鉄道常総線下妻駅から徒歩約15分) |