慰謝料請求をしたい方-不貞を疑い始めたときにすべきこと

疑いの段階でやってはいけないこと

「証拠はないけれど、妻（夫）が浮気している気がする」と感じている方はいらっしゃいませんか。

証拠がない段階であっても、弁護士に相談することは可能です。しかし、証拠がない場合、慰謝料請求が認められる見込みや慰謝料の金額などの見通しをご説明することができません。

そこで、本記事では不貞・不倫行為の決定的な証拠がないときにとるべき行動についてご説明します。証拠の集め方や物的証拠となるものについても合わせてご説明します。

など、今までと違う雰囲気を察知したことを機に「浮気をしているのでは？」と想像する方もいらっしゃいます。

しかし、これらはあくまでも何か怪しい、というだけの段階だということを忘れてはいけません。したがって、証拠がないにもかかわらず、配偶者を問い詰めることは厳禁です。問い詰めた場合、どのような結果になってしまうか、具体例をご紹介いたします。

問い詰めた結果

Aさんの夫は残業や休日出勤、出張が増えただけでなく、以前はほとんど行くことがなかった飲み会にも顔を出すようになりました。さらに、ここ1年はセックスレス。そのため、浮気を疑ったAさんは「不倫しているんじゃないの？」と直接夫に問い詰めました。

さて、夫はどうしたでしょうか？

問い詰める前にすべきこと

上記の例のように、実際に浮気をしていたとしても、証拠がない状態で問い詰めることには、デメリットしかありません。一度配偶者が警戒すると、その後の証拠確保の難易度が上がります。

また、配偶者が浮気をしていなければ、さらにデメリットは大きくなるでしょう。特にAさんの夫のように、家族を思い仕事に打ち込んでいたのに浮気を疑われていたと知ったときのショックははかりしれません。

「問い詰めたら観念して認めてくれるかも」といった軽い気持ちで、配偶者を問い詰めることは絶対に避けてください。

配偶者が不倫しているのではないかと疑いを持ったときは、まずは水面下での証拠収集を行ってください。

証拠収集の具体的方法

上記のとおり、配偶者の不貞を疑っている方がまずやるべきことは、水面下での証拠収集です。 どのような物が不貞の証拠となるかについては、「不倫慰謝料を請求したい方―不倫・不貞慰謝料請求の勘所」のページで説明しておりますが、ここではもう少し詳しく説明いたします。

浮気の物的証拠は、大きく２種類に分けることができます。

状況証拠

• パソコンの履歴（浮気相手へのプレゼントやデートスポット検索）
• ETCの履歴（普段行くはずがない場所）
• カーナビの履歴（普段行くはずがない場所）
• ラブホテルのカードや割引券
• 車の助手席についていた髪の毛、落ちていたアクセサリー

直接証拠

• 性行為の様子を撮影した写真
• 不貞行為について直接的に記載されているメール、LINEメッセージのやりとり
• 探偵の調査報告書（何時何分ラブホテル入室などの言葉と、写真が揃っている。時系列で配偶者と浮気相手が過ごしている情報が記載されている）

ご自身でできる不貞の証拠収集とは

不貞の証拠を集めるためには、配偶者に発覚しないように身近なところから探ることが大切です。

スマホ

パスワード等でロックされていない状態であれば、メールやLINEをチェックし、怪しい人物とのやりとりがないかを確認してください。名前やメールアドレスはメモをお忘れなく。また、通話履歴を確認することで、頻繁に連絡をとりあっている人物がいる場合、不倫相手の可能性があります。登録名はダミーかもしれませんが、携帯電話の番号が分かれば、弁護士会を通じた携帯電話会社への契約者の照会が行える可能性があるため、重要です。

車の中

配偶者専用の車があれば、車の中には証拠が隠されている可能性が高いです。トランクやダッシュボード、ゴミ箱などをチェックし、２人分の買い物をしたレシート、ラブホテルの割引券などがないか探してみてください。

自分のものではない髪の毛なども、状況証拠となります。カーナビの履歴にも、デートの行き先が残っている可能性があるため、チェックしてみてください。

配偶者専用の車でなくとも、配偶者が上記のような証拠の処分を忘れている場合や一部が残っている場合もありますので、念入りに探すことで思わぬ収穫が得られるかもしれません。

ＧＰＳ

最近のスマホにはＧＰＳ機能がついており、移動経路を記録できるアプリもあります。もししばらく手離してもよいスマホがあるのであれば、車の中の分かりにくい場所に仕掛けて、移動経路上にラブホテルがないかなどを探るのも一つの手段です。