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従業員の不正行為に対する請求


 

1.ご相談例

(相談内容)

 経理担当者の横領が発覚しました。

 当社の損害額は約500万円です。

 担当者は横領を認めていますが、全額の弁償はできないと言っています。

 どのようにしたら当社の損害を少しでも多く回復できるでしょうか。

(回答)

 まず、担当者本人に対して損害賠償を請求できることは間違いありません。

 法的根拠としては雇用契約の債務不履行に基づく損害賠償請求、または、不法行為に基づく損害賠償請求です。

 注意点としては、現在横領を認めているということなので、それを顛末書などの形で残しておくことや客観的な証拠(偽造された書類や改ざんされた帳簿など)を確保しておくことを怠らないことです。

 現在は横領を認めていても、いざ損害賠償を請求されると他人に責任を転嫁するなど、態度を変えるおそれがあります。

 そのような事態が生じても、確実に損害賠償請求を行えるよう、証拠を固めておく必要あります。

  担当者本人に対する損害賠償請求が認められたとしても、本人から損害額の全額を回収できない場合、身元保証人に対しても賠償を請求することが考えられます。

 身元保証人に対する請求について以下で説明いたします。

2.身元保証人に対する請求

 身元保証人とは、従業員の使用者との間に身元保証契約を締結した者をいいます。

 身元保証契約は、従業員の行為により使用者が損害を受けた場合に、これを賠償することを約束するものですが、身元保証人の保護のために「身元保証ニ関スル法律」が制定され、身元保証人の責任範囲はかなり限定されています。

 まず、身元保証契約の存続期間は、定めがない場合には3年(商工業見習者の場合5年)とされます。

 当事者が期間を定めた場合にも、5年を超えることはできません。契約を更新することはできますが、自働更新の約定は無効とされます。

 ご相談の件でも勤続が長い人ですとすでに身元保証の期間が満了しているおそれがあります。

 また、借金の連帯保証人ならば全額について責任を負いますが、身元保証人の場合は全額について責任が認められるわけではありません。

 身元保証人の責任は、従業員の監督に関する使用者の過失の有無、身元保証人が保証をするにいたった理由、身元保証人が保証をするときに用いた注意の程度、従業員の担当業務などの変化、その他一切の事情を総合的に勘案して決定されます。

 保証人の責任を軽減するについて大きな影響を持つのはやはり、使用者の監督上の過失やその程度です。使用者の監督に不備があった場合、身元保証人の責任は大幅に減額されることになりますし、例えば、使用者が不祥事を発見することが可能だった時点以後、それにもかかわらず発見できずにいた期間について、身元保証人の責任を免除した例もあります。

 また、親族・親戚関係から断りきれずに、あるいは軽い気持ちで身元保証人を引き受けたなどといった事情も、身元保証人の責任を軽減するものとして考慮されます。

 なお、使用者は、従業員に業務上不適当の事由があって身元保証人に責任が生ずるおそれが生じた場合や、従業員の担当業務や勤務地を変更し、そのため保証人の責任が重くなり、または監督が困難になる場合は、遅滞なく身元保証人に通知しなければなりません。

 身元保証人はこの通知を受けた時や、通知がなくとも、その事実を知った時には将来に向けて契約を解除することができます。

 使用者がこの通知を怠っていると、保証人の責任を軽減する要素になります。

 さて、身元保証人に損害賠償請求できる場合、具体的にはどの程度の責任を求めることができるでしょうか。

 前述のとおり、さまざまな要素を総合勘案して判断しますので、ケース・バイ・ケースなのですが、以下の裁判例が参考になります。

 仙台高裁平成4年4月17日判決は、水道料金収納事務受託者の水道料金の横領について、身元保証人の責任が問われたものです。

 裁判所は、横領行為を未然に防止することができず、また発見が遅れたのは使用者が指導監督を懈怠したからであるとして、請求額の4割強の140万円についてのみ身元保証人の責任を認めました。

 東京地裁平成4年3月23日判決は、証券会社の歩合外務員が、内金が入金されるまでは次の注文を受けてはならないという業務命令に反して顧客のために株式を買いつけ、これにより、証券会社に1億円以上の損害を与えたという事件です。

 裁判所は、使用者にも過失がみとめられることなどから身元保証人の責任は損害額の4割であるとしました。

 神戸地裁昭和61年9月29日判決は、運送会社の従業員が1年半余にわたって運送代金約900万円を横領したものですが、裁判所は横領行為が長期かつ多額にのぼったのは会社の管理体制が不備・杜撰であったことが主因であるとして、保証人の責任は損害額の約2割、180万円であるとしています。

 なお、身元保証人に損害額全額の支払を求めるために、身元保証契約に「損害の全額について責任を負います」などと身元保証人の責任を加重する特約を設けたとしても無効です。

【注意】
弊所では、債権回収業務について、事業性資金(事業により発生した債権(例:工事代金、売買代金、診療報酬などの売掛金や賃料・リース料など))の回収業務のみをお受けしております。個人間・親族間の貸付け等(親子間の貸付けや、個人的な貸付け)の債権回収は受け付けておりません。予めご了承ください。

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