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残業代請求訴訟の証拠


 残業代請求を受けた場合に、会社がタイムカードや日報、営業報告、勤務状況のわかる書類を開示しなくてはならないのか、という問題があります。

 会社としては、実際に残業が行われていて未払いの残業代が発生している可能性が高い場合、それを裏付ける証拠となるタイムカードを開示したくない、と考える場合が多いかと思います。

 残業代を請求する場合、法律的には、残業が行われていた事実は労働者に立証責任があります。つまり、労働者がタイムカード等によって実際に残業が行われていた時間を特定して証明できなければ、裁判所は原則として残業代請求を認めません。

 そうなると、会社側が「このまま隠し続けていれば残業代を支払わずにすむのではないか」と考えてタイムカード等の証拠を開示しないことができるのか、ということが問題になります。

1.証拠資料を開示しないことができるか

 結論としては、開示を拒否しても、いずれ提出せざるを得なくなる場合が多いといえます。

 裁判を起こす場合、原告は証拠保全手続、文書提出命令等の方法により、被告や第三者が保有する証拠を開示させることができるためです。

 また、労働者側に「不誠実な対応をしている」との印象を与えてしまうと、請求額を減額して和解する、といった選択肢を取ることが難しくなり、合理的な解決が図れなくなる場合があります。

 裁判が長期化して判決に至り、会社が敗訴してしまった場合、最終的に多額の遅延損害金を支払わなければならず、経済的な負担がより大きくなります。

 更に、タイムカード等を開示しないことにより、労働者が労働基準監督署に通告するといった手段に出るおそれもあります。

 以上のような理由から、「最後まで頑なに証拠の開示を拒否する」という戦略はおすすめできません。

2.労働者がとる可能性のある手段

 タイムカード等の証拠資料を開示しない場合、労働者は以下のような手段に出る可能性があります。

(1) 労働基準監督署への通報・通告

 実務においては、労働者が労働基準監督署(労基署)に対し、会社が労働基準法に違反している事実を通告する、という例が多くあります。

 通告がなされると、労基署から会社へ確認の電話などがかかってきますし、呼出を受けて事情聴取を受けることもあります。

 場合によっては、労基署が会社に立入調査をすることや、是正勧告を行うこともあります。

 強力な権限を持つ労基署が介入することは、会社や経営者にとってリスクが大きいといえます。

 労働者側もそれを理解した上で労基署に通告する場合が多いと考えられます。

(2) 証拠保全手続(民訴法234条)

 証拠保全は、訴え提起前になうことも可能な裁判所が行う証拠調べです。

 証拠保全手続が行われると、裁判所の職員が予告なく、証拠保全の決定書を持って会社に来ます。

 その後、更に裁判官と裁判所書記官、カメラマンが会社を訪れて、タイムカード等の関係書類を出すように命じられます。

 裁判所職員がその場でタイムカードをコピーするか、またはカメラマンが撮影することにより、裁判に必要な証拠を入手できるようにする、という手続です。

 このように、裁判所職員や裁判官がいきなり社内に立ち入るため、社内が騒然となる場合もあります。他の従業員への影響を考えると、会社にとっては望ましくない事態といえるでしょう。

(3) 文書提出命令(民訴法219~)

 訴訟になった後で、労働者が文書提出命令申立を行い、タイムカードの提出を求めることがあります。

 その前に、裁判所は会社側にタイムカードを証拠として任意に提出するように再三求めてきます。これに従わない場合は、文書提出命令が出されます。

 当事者が文書提出命令に従わない場合、「裁判所は、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる」と規定されています(民事訴訟法224条1項)。

 すなわち、労働者の言い分通りに労働時間が認定されてしまうことになります。また、命令に違反したとして、20万円以下の科料の制裁を受けることもあります。

 文書提出命令を拒否した場合、労働者側の推定的な主張に基づく残業代請求がすべて認められることになるため、証拠を提出して合理的な金額を算定した場合と比べて、結果的に会社側の支払うべき金額が大きくなることが予想されます。

 そのため、事実上、タイムカード等を提出せざるを得ない状況になります。

3.コストの削減

 会社がタイムカードをの提出を拒んで訴訟が長引くほど、労働者が感情的になり、減額交渉が難しくなってしまうため、最終的な和解金が高額になる傾向があります。

 また、長期にわたる裁判に対応するためには、人的・経済的コストが多くかかります。

 コストパフォーマンスという点からも、早期にタイムカード等を開示した上で、正確な残業代を計算し、ある程度の金額を支払うことで解決を図った方が、会社側の負担を軽減できる場合があります。

 もちろん、会社側に有効な反論がある場合には、証拠開示の問題とは別に、しっかりと主張していく必要があります。

 どのような資料を開示すべきか等、残業代請求への具体的な対応方針を検討するためにも、早期に弁護士にご相談ください。

【注意】
弊所では、残業代請求を含む労働トラブルについて、会社経営者様からのご相談(会社側のご相談)のみをお受けしております。 利益相反の観点から、従業員・労働者側からのご相談はお受けしておりませんので、予めご了承ください。

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