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パワハラの具体例


 パワハラには法的な定義はありませんが、①職場内での優位性(人間関係、職場の地位、経験など)を利用した物言い、②業務上の適正な範囲を超えた指示、注意、指導である場合、③身体的、精神的苦痛又は職場環境を悪化させる行為である場合、はパワハラにあたる可能性があります。

 ただし、これに当たったから、又は当たらなかったからと言って直ちにパワハラであるか否かが決まるわけではありません。

 以下では、パワハラとして挙げられている6つの類型と、裁判例について解説します。

1.身体的な攻撃

 殴る、蹴る、たたく、その他ポスターで頭を叩く、モノを投げつけるなどが該当します。一番分かりやすい類型です。

【具体例】
 労働組合のマークの入ったベルトを着用しながら就労していた労働者に対して、教育訓練の一環として、会社が課した就業規則の書き写し等が、目的や態様において不当なものであるとして、労働者側の損害賠償請求が認められた事例があります(JR東日本(本荘保線区)事件、最高裁判所平成8.2.23判決)。

2.精神的な攻撃

 脅迫や名誉棄損、暴言などが代表的です。同僚の前で叱責したりなど、晒し者のように扱うことも含まれます。

【具体例】
 問題となった上司Aは、元来、話し方がぶっきらぼうで命令口調である上、声も大きく、朝礼の際等に、フロア全体に響き渡る程の怒鳴り声で「ばかもの。」、「おまえらは給料が多すぎる。」等と感情的に部下を叱りつけていました。それ以外に部下を指導する場面でも、部下の個性や能力に配慮せず、人前で大声を出して感情的、かつ、反論を許さない高圧的な叱り方をすることがしばしばあり、その後にまともなフォローをすることがありませんでした。

 このようなAの指導が典型的なパワハラであると認定された事例です地公災基金愛知県支部長(A市役所職員・うつ病自殺)事件(名古屋高等裁判所平成22.5.21判決)。

3.人間関係からの切り離し

 無視、隔離、仲間外れにする行為等が該当します。人事権の裁量権の範囲を超えた法令や公序良俗に反する行為である必要があります。

【具体例】
 過去に従業員Aが内部告発したことをきっかけに、会社の東京本部から富山県内の教育研究所に異動となり、他の社員とは離れた2階個室に席を配置され、20数年以上、極めて補助的な雑務をさせていたこと、昇格させなかったことが、内部告発を行ったことを理由として、これに対する報復として、Xを不利益に取り扱ったものと判断された事例があります(トナミ運輸事件・富山地方裁判所平成17年2月23日判決)

4.過大な要求

 業務上明らかに不要なことや遂行不可能な量のノルマの強制、仕事の妨害があった場合、「過度な要求」型のパワハラに該当する可能性があります。

【具体例】
 業務に1人で従事することになった従業員Bは、勤務が早朝から深夜に及び休憩もとれず、土日出勤もあったため、上司に人員補充を求めたが、Bが同業務に従事した約半年間特段の措置はとられなかった(なお他の部員はあまり残業がなかった。)事例があります(国際信販事件・東京地方裁判所平成14年7月9日判決)。

5.過小な要求

 4とは反対に、能力や経験とかけ離れた程度の低い(単調な)仕事を命じることや、仕事を与えないことは「過小な要求」型のパワハラに該当する可能性があります。

【具体例】
 従業員X1につき衣装並びに雑務、従業員X2につき包装並びに雑務を業務内容とする労働契約を締結した従業員X1・X2に対し、従前に従事していた衣装、包装の仕事ではなく、門の開閉、草取り、ガラス拭き、床磨き等の業務(本件業務)に従事させた結果、従業員X1・X2は腕や背中を痛め通院加療し、欠勤が余儀なくされたという事例です。
 裁判所は、Xらの労働契約の内容に「衣装並びに雑務」「包装並びに雑務」と全く関連性のない本件業務を含むものと解することはできないこと、従業員Xらに開閉させた門は、従来日中は開けっ放しにされていたものであり、その都度開閉する必要性は全くなかったこと、床磨き、ガラス拭き等は、その都度部内の従業員が必要に応じて従事していたのであり、Ⅹらを専従させる合理的理由がないことを理由に会社の不法行為を認めました(平安閣事件・最高裁判所昭和62年10月16日判決)。

6.プライバシーの侵害

 業務遂行に当たって、個人のプライバシーを執拗に聞き出したり、私的なことに関わる不適切な発言や私的なことに立ち入り管理する行為もパワハラに該当する可能性があります。

 例えば、旅行のために年次有給休暇を取るに際して、なぜ、誰と、どこへ行き、どこに宿泊するのか、と上司に問われる場合等です。

【具体例】
 従業員Cが個人的に賃借し、住居として使用していた建物(本件建物)の明け渡しを巡って大家Dとトラブルになった際、Dと知人の間柄であった上司EはDの依頼を受け、左遷など人事上の不利益取扱いもほのめかしながら、本件建物の明け渡しを繰り返し迫った事例があります。
 裁判所は、「それが一定の節度をもってなされる限り、部下に多少の違和感、不快感をもたらしたからといって、直ちに違法と断ずることはできない。しかし、本件のように部下が家主との間で自主的解決に応じないことを確定的に決断している場合に、上司がなおも会社若しくは自らの都合から、会社における職制上の優越的地位を利用して、家主との和解ないしは明渡し要求に応じるよう執拗に強要することは、許された説得の範囲を越え、部下の私的問題に関する自己決定の自由を侵害するものである」と判断しました(ダイエー事件・横浜地方裁判所平2年5月29日判決)。

 実際には、上記類型のパワハラが複合的に行われる事例もあります。

 「同僚らの前で度々怒鳴りつけた上、能力や役職に見合う業務の権限を剥奪し、簡単な雑務しか与えない」というのは、類型2及び5の複合型であるといえます。

【注意】
弊所では、残業代請求を含む労働トラブルについて、会社経営者様からのご相談(会社側のご相談)のみをお受けしております。 利益相反の観点から、従業員・労働者側からのご相談はお受けしておりませんので、予めご了承ください。

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