千葉 船橋・柏・木更津の法律事務所  法律顧問・債権回収  法律顧問・債権回収・不動産取引・契約トラブル・労働問題・事業承継・法人破産のことならさくら北総法律事務所へ。

千葉 船橋・柏・木更津 弁護士法人さくら北総法律事務所

お電話でのご予約は0120-786725まで インターネットでのご予約はこちら
  1. 当事務所トップページ
  2. 法人法務トップ
  3. 高齢者施設トラブルトップ
  4. 高齢者施設の人事労務4(セクハラ)

高齢者施設の人事労務4(セクハラ)

1.セクシャルハラスメントとは

パワーハラスメントと並んで従業員の労務管理上の問題となりやすいのがセクシャルハラスメントです。

近年は、パワーハラスメントが話題になることが増えてきていますが、セクシャルハラスメントについても、問題提起されてからかなり時間が経っているにもかかわらず、未だに発生し続けています。

セクシャルハラスメントもパワーハラスメント同様に、事業者が損害賠償責任を負うリスクがある事象です。

そもそもセクシャルハラスメント(以下「セクハラ」といいます。)とは、職場における相手方の望まない性的な言動をいいます。その内容は様々ですが、大きく分けて次の2つに分類されます。

  1. 女性労働者の意に反する性的な言動を行い、当該労働者の対応によって、当人が解雇、降格、減給など、不利益を受ける「対価型セクシャルハラスメント」
  2. 労働者の意に反する性的な言動(身体接触、発言、視覚を含む)によって、就業環境が不快なものとなったために、労働者が苦痛に感じて業務に専念できなくなり、能力の発揮に悪影響が生じるなど、当該労働者が就業する上で見過ごせない程度の支障が生じる「環境型セクシャルハラスメント」

「性的な言動」とは、性的な内容の発言(例えば性的な事実関係を尋ねること、性的な冗談やからかい等)や性的な行動(例えば性的な関係の強要、身体への不必要な接触、わいせつな図画の配布、食事やデートへの執拗な誘い等)を指します。

2.セクハラ防止義務

使用者は、労働者に対して働きやすい良好な職場環境を維持する義務(安全配慮義務)を負っています。労働契約法5条においても、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と事業者の安全配慮義務が規定されています。

そして、セクハラが発生しないような職場環境を確保することが安全配慮義務の一つとして事業者求められています。

職場内のセクハラ防止に関しては、男女雇用機会均等法11条において、性的な言動に対する対応により労働者が労働条件において不利益を受けたり、就業環境が害されたりすることがないよう、事業主に被害者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じる義務が定められています。

これを受けて厚生労働大臣が定めた指針においては、このセクハラ防止措置の具体的な内容として、

  1. セクハラに対する方針を明確にし、従業員に対し周知・啓発を図ること
  2. 相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備を図ること
  3. セクハラが発生した場合に迅速で適切な対応をとること
などが定められています。

事業主は、男女雇用機会均等法11条及び厚生労働大臣指針を参考に、セクハラ防止のために必要な措置をとる必要があります。

具体的にどのような措置をとればよいか、お悩みの事業者の方は、男女問題を多く取り扱っている当所にぜひご相談ください。

3.セクハラによる法的責任(1)責任の種類と根拠

刑事責任

セクハラ一般が犯罪となるわけではありませんが、特に悪質な行為については、加害者が強制わいせつ罪(刑法176条)、名誉棄損罪(同法230条)などに問われることがあります。また、つきまとい行為についてはストーカー規制法違反になります。

民事責任

使用者責任

ア.事業者は、従業員が不法行為(民法709条)に基づく損害賠償責任を負う場合には、原則として民法715条1項により使用者責任を負い、被害者に対し損害賠償をしなければなりません。同項ただし書によれば、事業者が従業員の監督について相当の注意を尽くしていたような場合には例外的に免責されることとされていますが、ほとんどの場合に免責は認められません。

イ.また、使用者責任は、被用者(従業員)が「事業の執行について」他人に損害を与えた場合の責任です。もっとも、この要件も広く解釈をされており、例えば、終業後職場外での懇親会の席上でセクハラ行為が行われた場合であっても、「事業の執行について」行われたものであるとして、使用者責任が認められたケースも存在します。

債務不履行責任(安全配慮義務違反)

上記のとおり、事業者には、セクハラのない快適な職場環境を確保する安全配慮義務があります。

使用者責任とは異なり、事業者が日常的にセクハラを防止するための対策をとっており、セクハラの被害申告があった場合に、直ちに会社が事実関係を調査し、適切な対応を迅速にとれば、安全配慮義務違反はなかったと判断されます。

4.セクハラによる法的責任(2)損害賠償額の決まり方

損害賠償額の相場と内訳

損害賠償額については、日本の裁判例では50万円~300万円くらいの金額が多いといえます。もっとも、最近では1000万円程度の賠償を認めたものもあり、高額化の傾向にあります。

損害賠償の内容は、精神的損害に対する慰謝料が中心ですが、その金額は、セクハラ行為の悪質性(性的なことを言ったにとどまるのか、服の上から体に触れたのか、それとも下着の中まで触れたのか、その行為が繰り返されたのか等)や被害者がうつ病などの精神疾患に罹患したか等の事情により異なってきます。

なお、被害者が事業者に損害賠償を請求する際には、セクハラが原因でうつ病になった、PTSDに罹患したなどという診断書が証拠としてよく提出されますが、裁判所が、そのような診断書が提出されたからといって、セクハラが原因でそのような損害が発生したと認めるとは限りません。実際、セクハラ行為と精神疾患との因果関係を否定した裁判例も多数あります。

なお、後遺障害(PTSD等)によって労働能力が一部喪失したと認められた場合などには、喪失の程度や喪失期間に応じた経済的損害が認められる可能性も否定できません。

こうなると損害賠償額がかなり高額となるおそれがあります。

過失相殺

セクハラの被害者の側にも、被害の発生や拡大に一部責任があるとされて、過失相殺を認めた裁判例もあります。

具体的には、最初のセクハラ行為後は、加害者と距離を置くなどしてその後の被害を未然に防止する余地もあったと考えられるから、被害者にもその被害の発生および拡大につき責任の一端があるとして、過失相殺が認められています。

お得なキャンペーン・ご相談予約はこちら

60分無料弁護士相談実施中です
ご相談はお電話でもメールでも受け付けております。お電話は0120786725へ
ご相談の予約はこちらからどうぞ。お電話は0120786725へ オンラインでのご予約はこちら。
当事務所のご案内

当事務所のご案内

ページのトップへ戻る
 電話で予約する WEBで予約する