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施設の事業譲渡

1.事業獲得の手法

A市内で訪問看護事業を行っている法人甲が、B市内で法人乙が行っているB市内の訪問介護事業(B事業所)を獲得する方法として、法人乙のうち、B事業所だけを獲得する手法と、法人乙自体を獲得する手法とが考えられます。

前者については、B事業所の事業譲渡などによることが考えられます。また、後者については、法人乙を吸収合併することなどが考えられます。

前者の事業譲渡は、欲しい事業だけを取得したり、不要な事業だけを売却できたりできるので、いわゆる「事業の選択と集中」に利用しやすいスキームです。

例えば、法人乙は、これまで有料老人ホーム事業と訪問介護事業を運営していたが、経営方針の転換により、有料老人ホーム事業に特化したいと考えているとします。他方で、法人甲はこれまで訪問介護事業だけしか運営していないので、有料老人ホームを始めるノウハウはないが、訪問介護事業の地域を広めて、事業の効率化、大規模化を図りたいと考えているとします。

このような場合、事業譲渡であれば、法人甲は、訪問介護事業の拡大が可能となり、法人乙は老人ホーム事業に特化するための資金を得ることが可能となるので、双方にとってメリットがあります。

しかし、法人乙から、B事業者の運営上の問題はないと説明を受けていたにもかかわらず、譲り受けた後で様々な問題が発覚した、というのでは事業譲渡を受けた目的を果たすことができません。

したがって、譲渡を受ける法人としては、譲渡の対象となる事業が抱える問題や収益性など、譲渡前に調査をして、リスクを減らすことが必須です。

そこで、通常は、まず譲渡する法人と譲り受ける法人の間で、秘密保持契約等を締結した上で、譲り受ける法人が、譲渡の対象となる事業についてのリスク調査、いわゆるデュー・ディリジェンス(DD)を実施します。

その上で、問題がないと判断した後は、事業譲渡に向けて具体的な手続を開始します。次項では、事業譲渡の手続についてご説明いたします。

2.事業譲渡の手続

株式会社間の事業譲渡

法人甲も法人乙も株式会社である場合には、会社法の手続に従って、事業譲渡をすることになります。

単に会社の資産の譲渡だけであれば、それが「重要な財産の処分及び譲受け」にあたるときに、甲乙双方で、取締役会決議を要する程度ですが(会社法362条4項1号)、B事業所という事業を譲渡するということでしたら、「事業の重要な一部の譲渡」に該当すると考えられます。

この場合、事業譲渡を行う乙は、原則として、事業譲渡について株主総会において、特別決議による承認を経なければなりません(同法467条1項2号)。

社会福祉法人間の事業譲渡

社会福祉法においては、会社法と異なり、社会福祉法人の事業譲渡の手続に関する規定はおかれていませんが、事業譲渡は可能です。ただし、社会福祉法人では、事業譲渡に際し、定款変更を要します。

すなわち、厚生労働省が定める社会福祉法人審査基準では、法人資産のうち、社会福祉事業を行うために直接必要な基本財産(施設として利用する所有不動産等)を定款に明記することが求められています。また、同じく厚生労働省が定めた社会福祉法人定款準則では、定款に、「特別養護老人ホームの経営」「老人介護支援センターの経営」等と実施する社会福祉事業の種別を明記することになっています。

したがって、社会福祉法人が訪問介護事業を譲渡するに当たって、基本財産である事業所を譲渡し、また、同事業の廃止を伴うので、定款を変更する必要があります。譲り受ける側の社会福祉法人も基本財産を追加する旨の定款変更が必要です。

厚生労働省の社会福祉法人定款例では、社会福祉法人の定款変更は、評議員会の決議を得て、所轄庁の認可を受けなければなりません。

また、基本財産を処分し、又は担保に供しようとするときは、理事会及び評議員会の承認を得て、所轄庁の承認を得なければなりません。

さらに、国庫補助により取得した財産は、補助金等の交付目的に反して使用することが禁止されていますので、補助金により取得した財産を譲渡するには、原則、事前に、厚生労働大臣に、財産処分承認申請をしなければならないなどの手続的な規制を守る必要があります。

3.事業譲渡の特徴

事業譲渡とは、個々の資産や権利義務の集合体の譲渡です。したがって、原則として、従業員との雇用契約や、施設のメンテナンス契約など、その集合体を構成している一つ一つの契約につき、契約相手から引継ぎの同意をもらう必要があります。また、資産や権利の移転についても個別に行う必要があり、例えば、取得した不動産については、移転登記手続が必要です。

なお、譲渡の対価がその事業の実際の価値よりも不当に安価であった場合、法人乙の債権者が利益を害されたとして、民法424条の詐害行為取消権に基づき、事業譲渡の取消しを求めて訴訟を提起されるおそれもあります。対価は弁護士や税理士、会計士など専門家による適切な算定結果を根拠に決定する必要があります。

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