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1.下請業者

建設業界において、下請業者はなくてはならない存在ですが、末端の下請業者ほど小規模で財務基盤が弱いことから、特定の元請業者に依存せざるを得ず、元請業者からの要求を飲まざるを得ない立場にあります。

しかし、下請業者が元請業者の言いなりという状況を放置していたのでは、建設業界の健全な発展は望めません。そこで、建設業法は、下請業者の保護のための規定を設けています。以下、どのような規制が存在するかをご説明いたします。

2.下請業者の保護規定(1)見積り

建設業法では、下請業者保護のため、見積りについて以下のような規制をしています。

見積条件の提示(建設業法20条3項)

元請業者は、下請負契約を締結する以前に、建設業法第19条により請負契約書に記載することが義務付けられている事項のうち、請負代金の額を除く全ての事項について、具体的内容を下請負人に提示することが義務付けられています。

不明確な見積内容の提示や、曖昧な見積もり条件により下請業者に見積もりを行わせた場合などは、建設業法違反となるおそれがあります。

見積り期間の設定

元請業者は、下請業者に対する契約内容の提示から当該契約の締結までの間に、下記のとおり下請業者が見積りを行うために必要な一定の期間(建設業法施行令6条)を設けなければなりません。

ア.工事1件の予定価格が500万円に満たない工事

1日以上

イ.工事1件の予定価格が500万円以上5,000万円に満たない工事

10日以上

ウ.工事1件の予定価格が5,000万円以上の工事

15日以上

ただし、やむを得ない事情があるときは、イとウの期間は、5日以内に限り短縮することができます。

2.下請業者の保護規定(2)契約

民法上、契約書の作成は必須ではありませんが、建設業法では、下請業者保護のため、契約書の作成を義務付けています。

当初契約(建設業法18条、19条1項、19条の3)

下請工事の着工前に、建設業法第19条1項により定められた14事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければなりません。そのため、工事着工後に契約書を交わした場合などは、建設業法違反となります。

なお、この規定は、建設業の許可業者か否か、元請契約か下請契約か、公共工事か民間工事か、あるいは工事の金額や規模を問わず、すべての業者のあらゆる建設工事について適用されます。

追加・変更契約(建設業法19条2項、19条の3)

追加工事等の発生により、当初の請負契約に掲げる事項を変更するときは、当初契約を締結した際と同様、追加工事等の着工前に、その変更の内容について書面による契約変更が必要となります。元請負人が合理的な理由もなく一方的に変更契約を行わないことは、建設業法19条2項に違反します。

工事状況により追加工事の全体数量等の内容が着工前に確定できず、追加工事等の施工前に追加工事等に係る契約書面の交付が行えない場合は、次のアからウの事項を記載した書面を追加工事等の着工前に取り交わし、契約変更等の手続については、追加工事等の全体数量等の内容が確定した時点で遅滞なく行うことになります。

ア.下請負人に追加工事等として施工を依頼する工事の具体的な作業内容
イ.当該追加工事等が契約変更の対象となること及び契約変更等を行う時期
ウ.追加工事等に係る契約単価の額

追加工事等を下請負人の負担により施工させたことにより、下請負代金の額が「通常必要と認められる原価」に満たない金額となる場合には、建設業法19条の3に違反する可能性があります。

不当に低い請負代金の禁止(建設業法19条の3)

元請負人が、自己の取引上の地位を不当に利用して、下請工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結することは禁止されています。

この規定は、当初契約だけではなく、変更後の契約にも適用されます。したがって、契約変更の際も、変更後の契約内容が原価を下回っているような契約となってはいけません。

指値発注(建設業法18条、19条1項、19条の3、20条3項)

指値発注とは、元請負人が下請負人と十分な協議をすることなく、元請負人が指定する価格で下請負人に工事を受注するよう強いることをいいます。

指値発注は、元請負人としての地位の不当利用に当たるものと考えられます。したがって、下請代金の額が「通常必要と認められる原価」に満たない金額となる場合は、建設業法19条の3の『不当に低い請負代金の禁止』に違反するおそれがあります。

2.下請業者の保護規定(3)その他

不当な使用材料等の購入強制の禁止(建設業法19条の4)

下請契約締結後、元請負人が自己の取引上の地位を不当に利用して、請負人に使用資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害することは禁止されています。
使用材料等について購入先等の指定を行う場合には、元請負人は、あらかじめ見積条件としてそれらの項目を提示する必要があります。

やり直し工事(建設業法18条、19条2項、19条の3)

やり直し工事を下請負人に依頼する場合は、契約変更を行う必要があります。また、やり直し工事の費用は原則として元請負人が負担する必要があります。

下請負人の責めに帰すべき理由がある場合であっても、元請負人が費用を全く負担することなく、下請負人に対して工事のやり直しを求めることができるのは、以下のケースに限られます。

支払い保留(建設業法24条の3、24条の5)

元請負人が注文者から出来高払い又は竣工払いを受けたときは、下請負人に対して、1か月以内で、かつ、できる限り短い期間内において、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を支払わなければなりません。

また、元請負人が特定建設業者であり、下請負人が一般建設業者(資本金額が4千万円以上の法人を除く)である場合、発注者から工事代金の支払いがあるか否かにかかわらず、下請負人が引き渡しの申出を行った日から起算して50日以内で、かつ、できる限り短い期間内において期日を定め、下請負代金を支払わなければなりません。

そのため、特定建設業者の下請負代金の支払期限については、注文者から支払を受けた日から1か月を経過する日か、下請負人が引渡しの申出を行った日から起算して50日以内で定めた支払期日のいずれか早い期日となります。

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