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忘れ物・預かり品

1.忘れ物の管理

忘れ物については、遺失物法という法律が取扱いを定めています。

遺失物法は、飲食店のような施設で忘れ物(遺失物)があった場合、施設の占有者は忘れた人(遺失者)に返還するか、警察署長に(通常は警察署の窓口や交番などを通じて)提出しなければならないとしています(遺失物法13条1項、4条2項)

店舗の対応

例えば、お客様が財布を忘れた場合、その財布をお客様に返すために財布を開けて運転免許証などを確認する必要があるとも思えます。
しかし、財布の中には、現金のほか、お客様の個人情報や秘密情報が入っている場合もあります。店舗の従業員が安易に開けて確認すると、後で、「現金がなくなっている」「勝手に個人情報を見られた」といったクレームなど、お客様との間で思わぬトラブルを生じる可能性があります。

したがって、財布などの忘れ物を開けることはせず、忘れたお客様から連絡が入るのを待つようにします。

また、どうしても忘れ物を開ける必要がある場合には、2人以上の従業員、できれば店舗の責任者の立会いの下で確認し、確認時の状況を記録する等の工夫をします。

お客様の忘れ物について、店舗は善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)をもって保管する必要があります。お客様が忘れて行った物だからといって、粗略に扱うことがないように注意してください。
「善管注意義務」とは、業務を委任された人の職業・専門家としての能力・社会的地位などから考えて、通常期待される義務、という意味です。

店舗では、忘れ物を記録する書類を準備し、忘れ物があった日時、場所、発見者、忘れ物の特徴等を記載し、いつ、どこで、誰が、どのような忘れ物を発見したのかが分かるように記録するのが望ましいでしょう。

また、忘れ物自体を紛失してしまうことがないよう、鍵がかかる場所等で保管するようにします。

忘れ物をしたお客様から連絡があったときは、お客様の運転免許証や健康保険証などの身分証明書を確認した上で、連絡先を聞き取り、受領書と引き換えに忘れ物を引き渡し、お客様の連絡先と受け取った受領書は店舗で保管します。
他方、忘れ物をしたお客様から連絡がない場合には、一定期間保管後に警察署などに提出するようにします。

注意を要する物

お客様の忘れ物は様々ですが、パソコンや携帯電話等は、財布と同様、お客様の個人情報や秘密情報が含まれている場合が多いので、その管理には十分注意します。

他方、覚せい剤のような禁制品や犯罪に関わるような忘れ物があった場合には、速やかに警察に提出するようにしてください(遺失物法13条1項、4条2項)。

2.お客様から預かった物の管理

飲食店のように人が集まる施設において、店舗がお客様から品物を預かった場合、店舗はその保管について、善管注意義務を負います(商法593条)。

この店舗の善管注意義務は、保管が有償であるか無償であるかを問いませんので、店舗が無償のサービスとしてコートを預かったとしても、義務を免れるものではありません。

したがって、店舗としては、お客様からコート等の品物を預かる場合には、汚れや破損を防ぐことはもちろんのこと、番号札を付けるなどの工夫をして、他のお客様の物との取り違いなどが起こらないように、十分な対策を取る必要があります。

寄託物の紛失等

上述したとおり、店舗は、お客様から預かった寄託物について、善管注意義務を負いますので、寄託物を失くしたり壊したりした場合には、それが不可抗力によるものであったことを証明しない限り、お客様に対し損害を賠償する責任を負います(商法594条1項)。

ここで「不可抗力」とは、「特定事業の外部から発生した出来事で、通常必要と認められる予防手段を尽くしても、なおその発生を防止することのできない危害」といわれていますので、通常予期できないような自然災害が発生した場合等がこれに当たります。したがって、店舗が責任を免除されることはほぼありません。

なお、「当店ではお預かりした品物について一切責任を負いません」などと責任を負わないことをお客様に説明していたとしても、上記の損害賠償責任を免れることはできません(同条3項)。

3.寄託物の紛失等による損害賠償

お客様からお預かりした品物を紛失してしまった場合、店舗はお客様に対してどのような損害賠償をすれば良いのでしょうか。

店舗のお客様に対する損害賠償は、店舗の過失によってお客様に発生した損害を回復されるためのものです。

したがって、店舗がお客様からお預かりしたコートを紛失した場合を例に考えると、お客様のコートは新品ではなく、既にお客様が着用していた中古品ですので、店舗がお客様に対して賠償するのは新品のコートの価格ではなく、中古品であるコートの時価相当額ということになります。

過去の裁判例においても、ホテルのクロークがお客様から預かったミンクのコートを別のお客様のコートと取り違えて紛失した事案において、裁判所はホテルがコートの保管・返還義務に関し、善管注意義務に反する過失があったとして、ホテルに対し、債務不履行による損害賠償責任を認め、紛失したコートの時価相当額の賠償を命じています(名古屋高等裁判所昭和63年6月30日判決)。

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