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使用貸借の立退き


1.使用貸借の終了原因

 明渡しを求める前提として、使用貸借契約が終了していることが必要です。

 民法で定められている使用貸借契約の終了事由として、以下のものがあります。

 返還時期の定めがある場合、契約に定められた建物の返還時期が到来した場合には使用貸借は終了します(597条1項)。

 他方、返還時期の定めがない場合は2つに分かれます。まず、使用貸借の目的が定められていた場合ですが、契約時に定められた目的に従った使用収益が終了した時に契約は終了します。(597条2項本文)

 また、借主が使用収益をするのに足りる期間(相当期間)が経過した時には、契約が終了します(597条2項ただし書)。

 他方、返還時期も目的も定められていない場合は、貸主はいつでも契約を終了して、建物の返還を求めることができます(597条3項)。

 そのほか、借主が死亡した時は、使用貸借契約は終了します(599条)。

 但し、貸主が死亡した場合には契約は存続します。

 このように、法律上の要件は賃貸借と比べてシンプルなものとなっています。

2.使用貸借の注意点

 無償の貸し借りである使用貸借において明渡しを求める場合の注意点として、以下のような点があります。

(1) 使用貸借には借地借家法の適用はされない

 使用貸借には民法の規定のみが適用され、借地借家法の規定は適用されません。

 使用貸借は無償での貸し借りであり、殊更に借主を保護する必要性があるとはいえないためです。

 よって、法律上は、使用貸借を終了させることは比較的容易であると言えます。

(2) 「賃貸借」か「使用貸借」であるかをめぐって争われる場合がある

 実際の事案では、賃貸借であるか使用貸借であるかをめぐって貸主と借主の間で紛争となる事例も少なくありません。

 賃貸借であれば借主が有利となるのに対し、使用貸借はそのような優劣がないためです。

 判例は、使用貸借と賃貸借の区別について、「異常に低廉や賃料」が定められた貸借関係を賃貸借契約と認定するためには、そのように認定するだけの「特別な事情」の存在を確定する必要がある、としています(大審院大正14年2月26日判決)。

 もっとも「異常に低廉な賃料」や「特別な事情」といった要素には明確な判断基準がないため、実際にはケースバイケースの判断になってしまいます。

(3) 権利関係が不明確になっている場合が多い

 建物の使用貸借では、権利関係が明確にされないまま建物の使用収益が続けられている場合が多くあります。

 契約書が作成されていない場合も多く、建物利用をめぐる当事者の認識がずれていることも珍しくありません。

 このような場合、「当初どのような約束がなされていたか」ということを後から客観的に把握するのが難しいため、結局貸主側と借主側での「言った言わない」の水掛け論となってしまうことも予想されます。

 こうした事情により、実際に目的物の返還(明渡し)が問題となった際に、法律上の終了事由にあたるか否かをめぐって争われることも多くなります。

(4) 当事者が近い関係にある場合が多いため、紛争が複雑化しやすい

 建物の使用貸借は、近い関係にある当事者の間で行われることが一般的です。

 例として、自己所有の家屋を親族や交際相手に利用させている場合や、会社代表者(社長が所有する建物を会社が使用している場合などが挙げられます。

 そのため、使用貸借をめぐる紛争は、当事者間の人間関係をめぐる諍いと表裏一体である場合が多いのが実情です。

 例としては以下のような場合が考えられます。

・父親名義の家屋に父親と共に居住していたところ、父親が亡くなり、他の兄弟達から家を出ていくように求められた(共同相続人間のトラブル場合)

・交際相手が所有する建物に長く住んでいたところ、関係が破綻して退去を求められた

・会社支配権をめぐる争いにより代表(社長)の地位を失った元代表取締役が、会社が使用している自己所有の不動産の明渡しを求めた

 このような場合、人的な関係のもつれが背景にあるので、当事者間の感情の対立が大きく、話し合いによる解決が難しい場合が少なくありません。

 このように、建物の使用貸借は、貸主側からすると「法律上は明渡しを求めることができるけれど、事実上、すぐに明渡しを実現するのが難しい状況にある」という場合が少なくないかと思います。

 また、当事者の人間関係がこじれてしまっている場合には、解決に時間がかかる例が多いといえます。

 そうなってしまうと、賃貸借の事案以上に、当事者の時間的・精神的負担が大きくなってしまうことも予想されます。

 紛争になってから対応する、というだけでなく、後のトラブルの予防のために当事者の権利関係を明確にしておくことも重要です。

【注意】
 弊所では、居住用物件については貸主様からのご相談・ご依頼のみをお受けしております。
 居住用物件の借主様からのご相談・ご依頼(マンション・アパートを借りていらっしゃる方からの退去交渉等のご相談・ご依頼)は受け付けておりません。予めご了承ください(債務整理としてご相談をお受けすることは可能です)。
 なお、テナント物件(事業用物件)については、貸主様・借主様いずれの方からもご相談・ご依頼をお受けしております。

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