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催告と解除の意思表示


 ここでは、建物明渡し手続きの最初の段階である、賃借人への催告及び契約解除の手続について説明します。

1.催告とは

 賃貸借契約を解除するためには、原則として、解除の意思表示に先立って「催告」をする必要があります。

 催告とは、賃借人に対し、相当期間内に滞納賃料を支払うように促す通知のことをいいます。

 相当期間は賃貸人側で設定できますが、概ね1週間から10日、あるいは2週間程度が目安となります。

 なお、1か月でも家賃の滞納があった場合は、すぐに賃借人に連絡し、状況を確認した上で、支払いを催促することが良いでしょう。

2.解除の意思表示

 催告をして相当期間が経過しても賃借人が滞納賃料を支払わない場合、賃貸人は賃借人に対し、賃貸借契約を解除する旨の意思表示をします。

 催告も解除の意思表示もその方法に決まりはありません。

 しかしながら、賃借人に直接口頭で伝えたような場合は、その記録が残らないことになります。

 このような場合、後に訴訟になった時に「解除が有効になされたか」という点が争われてしまう可能性があります。

 そのため、訴訟で利用できる客観的な証拠とするために、催告も解除の意思表示もどちらとも「配達証明付きの内容証明郵便」を用いて行うのが一般的です。

 配達証明は相手が手紙を受け取ったことと受取日付を、内容証明は手紙を出したことと差し出した日付、手紙の内容をそれぞれ証明することができます。

 なお、催告と解除の意思表示は、実務上は1回で済ませてしまうのが一般的です。

 一例として、

「1.〇月〇日までに滞納賃料〇〇万円を支払え。2.同日までに滞納賃料が支払われなかった場合は、本書面をもって本件賃貸借契約を解除する。」

 という内容の通知を相手方に送付します。

 なお、期限内に支払いがされずに契約が解除された場合は、別途解除通知を送る場合が多いです。

3.解除と信頼関係破壊の理論

 適法な催告及び解除の意思表示がされたとしても、裁判で当該賃貸借契約の解除が否定される場合があります。

 これまでに説明した「信頼関係破壊の法理」により、家賃滞納の義務違反により賃貸人と賃借人の信頼関係が破壊される状況に至っていない場合は、賃貸人は当該賃貸借契約の解除をすることはできない、とされているためです。

 この信頼関係が破壊されたか否かは、1.不払い賃料額や期間などの賃料支払状況、2.不払いに至った事情、3.賃借人の支払能力や支払意思、4.賃借物件の使用状況など、様々な事情を総合的に考慮して判断することになります。

 通常の居住目的の建物賃貸借契約の場合、概ね2~3か月程度の賃料滞納があれば、他に特別な事情がない限り信頼関係が破壊されたと認められる傾向にあります。

 なお、実際の裁判手続の中では、原則として「賃借人」側が「信頼関係が破壊されていないこと」を主張・立証していく必要があります。

 「賃貸人の方で、信頼関係が破壊されていないことを最初から主張立証しなければ解除が認められない」というわけではありません。

4.無催告特約の有効性

 「催告・解除の意思表示」との関係で問題となる点としては、1.「無催告解除特約の有効性」の問題や、2.「当然解除特約(失権約款)の有効性」の問題があります。

 1.無催告解除特約とは、契約を解除するについて事前の催告を要しない旨の特約です。

 2.当然解除特約は、賃借人に一定の債務不履行があった場合に、催告を要しないだけではなく、解除の意思表示もしなくても当該賃貸借契約が当然に解除されるとする特約です。

 判例は、1.無催告解除特約につき、「契約を解除するにあたり、催告をしなくても不合理とは認められない事情(賃借人の背信性)が存在すれば有効である」としています。

 そして、2.当然解除特約(失権約款)については、「当事者間の信頼関係が賃貸借契約の当然解除を相当とする程度にまで破壊された場合にのみ当然解除の効力を認めることができる」としています。

 このように、特約に催告や解除の意思表示を要しないような特約があったとしても、実際には判例法理によって効力が制限されているといえます。

 そのため、契約書にこのような文言が入っていたとしても、法律の定めに従って催告及び解除の意思表示を行うのが一般的です。

5.賃貸人の対応例(滞納3か月のケース)

 賃借人に家賃滞納などの債務不履行があった場合には、1.速やかに賃借人に連絡をして支払いを求めること、2.催告や解除の意思表示を行ったことの客観的証拠を残しておくことが重要になります。

 家賃滞納があった場合の賃借人の対応の一例として、以下のような方法が考えられます。

 ・1回目の滞納があった場合
 1回(1か月分)でも滞納があったら、まずは賃借人に対して電話などで支払いを求めます。
 このような催促は速やかに行った方が効果があるといえます。
 その際、賃借人が現在どのような状況にあるのか(賃料の支払いが遅れている理由や今後の支払いの見込み)についても確認しておくとよいでしょう。

 ・2回目の滞納があった場合
 1回目の催促にもかかわらず、賃料が支払われなかった場合は、正式な請求書を送付します。
 この場合、滞納賃料の金額を明示して支払いを求めるだけでなく、支払いがない場合には法的手続をとる可能性があることも併せて通知しておきます。

 ・3回目の滞納があった場合
 家賃滞納が3か月以上続いた場合、賃借人に対して、「一定期間内に滞納分の支払いがない場合には賃貸借契約を解除する」旨の通知(催告及び解除通知)を行うことになります。
 期限内に支払いがない場合は契約解除となり、賃借人との明渡交渉に移行します。

【注意】
 弊所では、居住用物件については貸主様からのご相談・ご依頼のみをお受けしております。
 居住用物件の借主様からのご相談・ご依頼(マンション・アパートを借りていらっしゃる方からの退去交渉等のご相談・ご依頼)は受け付けておりません。予めご了承ください(債務整理としてご相談をお受けすることは可能です)。
 なお、テナント物件(事業用物件)については、貸主様・借主様いずれの方からもご相談・ご依頼をお受けしております。

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