よくある質問
ここでは、皆様から多く寄せられるご質問や事例について、Q&A形式で解説いたします。
回答の詳細につきましては、各項目のページをご覧ください。
弁護士に相談する時期
Q1.建物明渡しをめぐる問題については、いつ弁護士に相談すべきでしょうか。
A1.事案にもよりますが、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。
明渡しまでの時間
Q2.明渡しの手続きにはどの程度の時間がかかりますか。
A2.事案により異なります。家賃滞納解除による明渡しの事案で、賃借人が交渉や任意の退去に応じなかった場合、明渡完了までに約4か月~6か月程度かかるのが一般的です。
話し合いによる解決
Q3.賃借人との話し合いにより解決を図りたいと考えています。
A3.任意の交渉により明渡しの合意をするほか、調停、訴訟上の和解といった方法により、話し合いによる解決を図ることができます。
定期借家
Q4.一定の期間が経過したら賃貸借契約を終了させたいと考えています。
A4.定期借家契約(定期建物賃貸借契約)を締結することをお勧めします。普通借家契約とは異なり、期間満了後に確実に契約を終了させることができます。
賃料不払い
Q5.「賃料を1か月滞納したら契約を解除できる」という条項があれば、すぐに契約を解除できますか。
A5.原則として、契約書通りの解除は認められません。
建物の賃貸借契約は、賃貸人と賃借人の信頼関係が破壊されたと認められる事情がない限り解除できない、というのが裁判所の解釈であるためです。
鍵の無断交換
Q6.鍵の交換等により、家賃滞納者を部屋から閉め出すことはできますか。
A6.できません。
家賃滞納がある場合でも、法律上の手続きによらずに賃借人に無断で鍵の交換をすることは違法です。このような行為をした場合、賃貸人が法的責任(民事・刑事)を追及されるおそれがあります。
滞納家賃の回収
Q7.滞納家賃も回収してから明渡しを求めたいと考えています。
A7.強制執行や連帯保証人への請求等により滞納家賃を回収する方法があります。もっとも、滞納家賃の回収よりも明渡しを優先した方が損失が少ない場合もあります。
借主の行方不明
Q8.賃借人が家賃を滞納したまま所在不明になってしまいました。
A8.賃借人が所在不明となり連絡がつかない場合でも、法律で定められた方法により、契約の解除と明渡しの手続きをすることができます。
借主の死亡
Q9.借主が死亡してしまった場合、貸主としてどのように対応すべきでしょうか。
A9.使用貸借の場合、借主が死亡した場合には使用貸借関係は終了します(民法599条)。
賃貸借の場合、賃借人が死亡後も賃貸借契約は存続し、相続人が賃借人の地位を引き継ぎます。以後の法律関係の処理は相続人との間で行うことになります。
建物使用の必要性
Q10.賃貸人が建物を使用する必要に迫られていれば、賃借人に建物の明け渡しを求められますか。
A10.賃貸人が建物の利用を必要とする理由や程度にもよります。賃貸人に必要性があっても、「正当事由」がなければ、賃貸人の都合で一方的に契約を終了させることはできません。
一般的には、賃貸人に居住目的での使用の必要性が高い場合、更新拒絶・解約申入れにおける「正当事由」が認められやすい傾向にあります。
造作買取請求
Q11.賃借人から「建物に設置した設備を明渡時に買い取って欲しい」と求められました。
A11.借地借家法33条の要件を満たしている場合には、賃借人は造作買取請求をすることができます。
ただし、造作買取請求権を放棄する特約がある場合には、賃借人から買い取りを請求することはできません。
敷金の返還時期
Q12.借主から「先に敷金を返還してもらわなければ明渡しに応じない」と言われました。
A12.賃借人は、敷金の返還(債務の精算)に先立って建物の明渡しをする義務を負っています。賃貸人が先に敷金を返還する必要はありません。
敷金は明渡しまでの損害を担保するための金銭であると考えられているためです。
正当事由のない場合
Q13.契約違反をしていないのに、賃貸人から立ち退きを求められてしまいました。
A13.賃借人の契約違反がない場合、賃貸人は「正当事由」がなければ賃借人に立ち退きを求めることはできません。賃貸人からの要求をそのまま受け入れるのではなく、まずは賃貸人と交渉すべきであるといえるでしょう。
建物明渡しをめぐる問題は様々なものがあります。お困りの点がございましたら、弊所までご相談ください。
【注意】
弊所では、居住用物件については貸主様からのご相談・ご依頼のみをお受けしております。
居住用物件の借主様からのご相談・ご依頼(マンション・アパートを借りていらっしゃる方からの退去交渉等のご相談・ご依頼)は受け付けておりません。予めご了承ください(債務整理としてご相談をお受けすることは可能です)。
なお、テナント物件(事業用物件)については、貸主様・借主様いずれの方からもご相談・ご依頼をお受けしております。